内容説明
吉原面番所に新任の同心が配属され、突如、会所の閉鎖を命じてきた。廓の治安を守る用心棒・神守幹次郎たちが大門外に去ったため、引ったくりや掏摸が横行し、吉原は危地に陥る。同心の専横の背後には、廓内の利権を狙う一橋治済卿の影がちらつく。やがて幹次郎たちの探索で、同心のどす黒い過去が…。文庫で書下ろす大好評“吉原裏同心”シリーズ第四弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
113
4巻目ですが、まだまだ陰謀やお金に汚い幕府の監督者がいたりして悪を懲らしめる種がつきません。さすがに作者は吉原についてかなり勉強していて、私などはこのシリーズを読むまでは一般的なイメージかなかったのでかなり勉強になっています。また政府の田沼時代が終わると田安家や松平定信を味方に使用という政治的な動きもすごいと思います。たぶんお金も相当動いているのでしょう。2017/10/02
kinupon
77
清掻きの調べが聞こえてきそうな感じがします。しっとりとした吉原の風情が味わえました。2017/03/31
よむヨム@book
31
★★★☆☆ 星3つ 吉原裏同心シリーズ、安定して面白い。 話に余り凝ったものではないのだが、グイグイと読んでしまう。 佐伯先生の読ませる文書力のせいか、売れていることも納得してしまう。 2022/07/23
冴子
30
吉原裏同心シリーズ4作目。吉原のピンチにも情報戦で立ち向かう四郎兵衛や幹次郎たちに、拍手拍手!薄墨太夫のきっぷのいい見栄にも惚れ惚れしました。一橋卿との戦いはまだ続くのかなぁ。2016/01/26
エンリケ
27
シリーズ4巻目。今回はご三卿の一橋を後ろ楯に、町奉行が吉原の利権を狙う。手足となって会所を追い込むのは剣の使い手の同心。相対する、権力に屈しない吉原の町人達の反骨が気持ち良い。更に幹次郎の妻丁女を守る為に同心に啖呵を切る遊女達。傾城の身と言えども意地が有る。彼女達の心意気に胸がすく思いがした。吉原は大金の動く悪所。しかし江戸時代の人々はここを文化の一大拠点に昇華させた。そして粋を重んじる吉原の自立自尊の気風は封建の野暮を退ける。そんな町人達の為に幹次郎の剛剣が冴え渡る。胸踊る快作。続けて次巻へ。2014/09/11
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