内容説明
関ヶ原の役前夜、伊達と上杉が鎬を削る東北の国境。伊達は、西国牢人・赤座刑部に不落の帝釈城を築かせていた。―単身、この城を乗っ取ろうと狙う男がいた。上杉方・佐竹家の臣・車藤左である。敏捷な身のこなし、行動力にすぐれた男。加勢するは、銭愛好家、堺商人、巫女。一匹狼・藤左は敵の核心に迫った…。戦国乱世に生きた日本人を描く痛快時代小説。
感想・レビュー
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こーた
132
関ヶ原前夜。上杉の国境いへむけて、伊達は突如、出城を築きはじめる。いざ大戦となれば、上杉にとって厄介きわまりない。いまのうちに攻め潰してしまいたいが、西の石田が立つまでは、手出しをしない密約がある。困ったところへひょっこりあらわれた、佐竹家の浪人。おれがとってきてやるよ。貯金が趣味の侍と、花火売りの三男坊をひきつれ、いざ城へ。労役に苦しむ村人を巻き込み、様々な人間の思惑も絡みあって、騒ぎは次第におおごとへと発展していく。はかりごとが悉くはずれるなか、窮地を救うのは、猫!?笑。城をとる、ただそれだけの話。2018/02/05
優希
58
面白いとは思うのですが、ちょっと映画っぽい展開だと思っていたら本当に映画のために書いた話なんですね。伊達が赤座刑部に不落の帝釈城を築城させている中、単身この城を陥落させようとするのが上杉方・佐竹家家臣の車藤左でした。一匹狼のような藤左は優れた行動力で敵の核心に迫っていく様子がなかなか。主人公が完璧なヒーローでないのに好感を持ちました。藤左のおかげで犠牲になった人も多いだろうけれど、それが戦国時代の悲しい性と言えます。破天荒な夢にふりまわされるエンタメですね。内容は若干薄い気がしました。2014/09/12
Taka
52
痛快時代小説、アドベンチャーワールドなドタバタの展開。主人公の車藤左がはちゃめちゃでかっこよすぎる。魅力ある人間になりたいと思う。2019/05/28
まーくん(713172)
45
先日偶然図書館で見つけるまで司馬遼太郎にこんな作品があるとはしらなかった。面白かったが司馬遼らしくない内容だった。映像を意識しての作品になったようだ。この作品は司馬遼太郎全集68巻に入っていない。2016/07/20
けいた@読書中はお静かに
36
クリスマスに司馬遼太郎。エンターテインメント重視で司馬遼太郎っぽくはないが、読みやすくて面白かった。最近で言えば…和田竜っぽいのかな?石原裕次郎主演の映画用の作品らしい。2016/12/25