光文社文庫
ブルータスの心臓―完全犯罪殺人リレー

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 362p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784334717391
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

産業機器メーカーで人工知能ロボットの開発を手がける末永拓也。将来を嘱望される彼は、オーナーの末娘・星子の婿養子候補になるが、恋人・康子の妊娠を知り、困惑する。そんな矢先、星子の腹違いの兄・直樹から、同僚の橋本とともに、共同で康子を殺害する計画を打ち明けられ…。大阪・名古屋・東京を結ぶ完全犯罪殺人リレーがスタートした。傑作長編推理。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

553
東野圭吾にしては社会性が弱いようだ。産業ロボットと、社会の底辺から這い上がろうという男の野望という組み合わせだけでは十分に骨格を背負えない。また、トリックが込み入りすぎているために、自己撞着に陥りかねない。結局は空回りに終わったのではないだろうか。つまり、作家自身が策に溺れ過ぎたのである。したがって、緻密に構成されていたはずのプロットも、最後は力技に頼らざるを得なくなってしまった。ナオミの事故が背景にあったこと自体も、辻褄合わせの感を免れない。あげくは、小説の完結性をも犠牲にしてしまったのである。2023/12/28

Tetchy

336
犯罪者側から物語を描いた、いわゆる倒叙物でありながら、完全犯罪を目論む側に不測の事態が起きて、果たして犯罪が成功するか否かに焦点を当てるのに、この作品ではそこをさらりと流す。実に魅力ある設定を惜しげもなく使い捨てるとまで云ってもいいくらいだ。そしてそこからは実に驚きの展開で、実にツイストが利いている。本当にこの作者はミステリ・マインドに溢れている。しかし物語は唐突な形で終える。犯人が解るに至って、これは推理小説ではなく、小出しに明かされる作者が周到に隠したバックストーリーを楽しむものなのだろうと気付く。2010/03/17

ダイ@2019.11.2~一時休止

197
主人公が共感できないので終わり方はこれでよかった。2013/07/17

takaC

197
結局、警察は何も解決できなかったし、読者すら真相が 100% はわからない。2008/03/11

夢追人009

190
ダークな主人公や罪を犯し死んでいった野郎どもの悲運に一抹の憐れみを覚える東野圭吾さんの13冊目の力作ピカレスク・ロマンです。本書は珍しく解説が一切なく、最初はよくあるタイプのアリバイ崩しの倒叙ミステリーかなと思っていましたが、流石に切れ者の著者らしく途中でストーリーが複雑にねじれて行き、中盤は全くの五里霧中状態で、終章に至って漸くプロローグ&タイトルの意味と事件のからくりに気づいて大満足を得られましたね。それにしても死んだ者達は悪行を為し皆自業自得だとは言え、金持ちの仁科家だけが安泰な結末は悔しいですね。2019/04/13

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/577438
  • ご注意事項

最近チェックした商品