内容説明
「現代の男女が、あれほど純粋に燃えることはないと思うとき、ふと羨望に似た思いになる。思いというものの美しさが残る。恋といっても、すぐにどうのこうのではなくて、ひたすら愛しいと思うだけで、だから哀しいのだ」西鶴、近松、秋成、南北など江戸文学のなかの女たちに焦点を当て奔放な愛と性を浮き彫りにする。
目次
井原西鶴“好色五人女”―奔放に生きようとした女の悲恋
近松門左衛門“大経師昔暦”―ひと味ちがう密通悲劇
上田秋成“雨月物語”―女の業が火をふくとき
山東京伝“色街の女たち”―男の中にひそむ女への願望
鶴屋南北“桜姫東文章”―浮世のさだめに流れゆく花
近松門左衛門“心中宵庚申”―心中は、二人の最後の華
古典落語“三年目”―はにかみを抱えた男たち
“川柳”―子ができて川の字になりにねる夫婦
建部綾足“西山物語”―悲恋の戒め
鶴屋南北“東海道四谷怪談”―なぜか男は化ける女が好き
瀬川如皐“与話情浮名横櫛”―恋とはしがねえもの
為永春水“春色梅暦”―意地をつらぬく女たち
近松門左衛門“堀川波鼓”―昔も今も、酒は災いのもと
近松門左衛門“心中天の網島”―世間に抗議する男と女の形
さて、あなたの恋舞台は…
-
- 和書
- 生命科学の近現代史