出版社内容情報
となりは何をする人ぞ!?
遠くて近い、近くて遠い
小さなコミュニティで巻き起こる、人間関係悲喜こもごもを描く傑作集。
【目次】
内容説明
憧れの田舎暮らしで遭遇した個性的な隣人たち、もめ事続きのマンション理事会、卒婚女性の実家暮らし、小学生の帰り道、失職した若者と老人たち、変わらず住人を見てきた住宅街のガレージ…軽やかに描かれたご近所付き合い六つの光景。遠くて近い、近くて遠い。小さなコミュニティで巻き起こる、人間関係悲喜こもごもを描く傑作集。
著者等紹介
田中兆子[タナカチョウコ]
1964年、富山県生まれ。2011年「べしみ」で第10回女による女のためのR‐18文学賞大賞を受賞。’14年、同作を含む短編集『甘いお菓子は食べません』でデビュー。’19年『徴産制』で第18回「Sense of Gender賞」大賞、’23年、『今日の花を摘む』で第3回「本屋が選ぶ大人の恋愛小説大賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ケンイチミズバ
62
タイトルは少し違う気がするものの、どの作品もよかった。たまたま近くに住む他人との関係性について、人は人と係わることで理解や喜び、失敗や反省がある。善意には善意で答えることが当たり前だけど人の正解。「うさぎの道草」が最も響いた。オカルトで6センスで心にジーンとくるラストがとても素晴らしい。人の心理の深い所の表現が豊かで、どの作品もそのとおりだと思える。私ならいちばん普遍的な「掘り込みガレージのある家」をタイトルにしたい。子供の頃からそこにあったランドマークのような他人の家も振り返れば私の一部かも知れない。2026/08/12
えんちゃん
55
派手さはないものの、なかなか秀逸。ご近所さんにまつわる短編集6つ。①コロナ禍のリモートワーク別荘②マンション理事長になった夫の変化③定年退職後は夫婦それぞれの故郷へ④小学生からみた良い大人と悪い大人⑤何でも屋として働く青年と雇い主とご近所さん⑥堀り込みガレージの家を見守る30年間。分かり合えそうで、分かり合えない。分かり合えなさそうで、分かり合えちゃう。そんな誰もが経験したことのあるご近所あるある。文学の香りもしつつ、ユーモアとブラックとクールの塩梅も面白かったです。2026/08/31
まる
28
ご近所さんに纏わる短編集。。 棲み処を決めるのは人生でそう数多くはなく、そこでのご近所さんは選べないだけに 一種の賭けでもありますね。怖そうに見えた人が実は優しかったり、普段口は悪くてもいざというときに頼りになったり。 身近にある一こまが少し温かくて、期待以上に良かったです。2026/08/29
sayuri🍀
26
「沙央里の二拠点生活」「夫がマンション理事長になってから」「故郷に帰ってわかったこと」「うさぎの道草」「25歳と後期高齢者たち」「掘り込みガレージのある家」6話収録の独立短編集。同じ富山県出身という親近感もあって、新作を心待ちにしている作家さんだが、今作も面白かった。家は選べても、隣人は選べない。住んで初めて気づくあれやこれ。そんな人間関係の悲喜こもごもが、リアルかつシニカルに描かれている。派手な展開こそないものの、人物の描き方がとても丁寧で、彼らの日常の風景がそのまま目の前に立ち上がってくるようだった。2026/07/13
練りようかん
20
六編収録。コロナ禍のワーケーション気分で借りた一軒家、卒婚し帰省した実家まわりといった、ちょっとした新環境が日常の謎を思わせる読み心地で楽しい。頼りになる人と敬遠していた人の印象が逆さになったり、ご近所付き合いが犯罪と隣り合わせだったり、実体験がよみがえることが沢山あった。安心を作る力のある中年男性もいれば、職場・家庭・マンション理事会で孤立する男性もいて、両者比較が興味深かった。最も没入したのは着想と主人公が見る世界の謎に惹かれた「うさぎの道草」。読後調べて最上一平氏の絵本に辿り着いた。読んでみたい。2026/08/01




