出版社内容情報
狩猟採集生活→農耕革命→生産増→人口増→貧富の差→都市→国家という、我々の多くが信じてきた「進歩史観」は正しいのか? 人類学者デヴィッド・グレーバーと考古学者デヴィッド・ウェングロウの共著『万物の黎明』は、この進歩史観をくつがえし、世界中に衝撃を与えた。本書は『万物の黎明』に大なり小なり衝撃を受けた日本の考古学者が集い、自らの最新研究を基に、人類史のパラダイムシフトを行う試みである。
【目次】
1 ~ 1件/全1件
- 評価
COSMOS本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
佐倉
12
『万物の黎明』の影響を受けて考古学、人類学といった各分野の日本人学者たちが出した反応集。アッシリアと渡り合ったメディアはリーダーを持たない非国家的な性質を持っていたのではないかと紹介する有松唯、古墳時代がトップダウンではなくボトムアップの祭祀である可能性を問う辻田淳一郎、エジプト初期王朝の祭祀を掘り下げる竹野内恵太、大きく取り上げられながら日本では抄訳しかされていない『西太平洋の遠洋航海者』についてカットされた部分を補完する後藤明、テキストの矛盾を真っ向から批判的に読む北條芳孝の論文などが興味深く読めた。2025/09/28