出版社内容情報
素浪人・猫矢又四郎は麻布飯倉町の荒物屋の用心棒。主家の黒猫かちんとは“猫吸い”で会話ができる。界隈では交合中の男女を刺殺する辻斬りが続き、不穏な空気が漂っていた。そんな中、さる大名家から黒猫招待の報せが来る。かちんと共に屋敷を訪れた又四郎は庭の木の刃の傷に気づき、この主こそが下手人ではないかと疑いを持つ。何度目かの訪問の折、又四郎とかちんを待ち受けていたのは、辻斬りと同じ装束の人物だった。
【目次】
内容説明
猫矢又四郎は荒物屋の用心棒。主家の黒猫かちんとひょんなことから話せるようになる。その頃、麻布飯倉町界隈では、交合中の男女を刺殺する辻斬りが続き、不穏な空気が漂っていた。怪しい風体の下手人の噂が拍車をかける。そんな中、さる大名家から黒猫を招きたいとの報せが来る。又四郎がかちんと屋敷を訪れると、そこには辻斬りと同じ装束の人物が待っていた。
著者等紹介
由原かのん[ヨシハラカノン]
1960年東京都生まれ。放送大学卒。福井市内にある蕎麦屋を夫婦で切り盛りする傍ら、五十代から公募文学賞に挑戦。2019年第99回オール讀物新人賞受賞。『首ざむらい 世にも快奇な江戸物語』で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
83
これはもしや「首ざむらい」の中に収録されてた作品ではないか。気付くのが遅いと言われそうですが。その続編なので、その後黒猫のかちんと用心棒の又四郎がどうなったか読めるわけです。狸穴の洞穴で摩訶不思議な体験をした又四郎はかちんと会話ができるようになる。カワイイ!又四郎が忌み嫌ってきた父親との対面、そして父親が乱心したと言われた事件の真相が判明。又四郎のお清を思う気持にクスリとしっぱなし。彼もいっぱしの男だなぁ。界隈に辻斬り事件も起きていろんな事がつながっていく面白さ。続編欲しいでごんす。2025/07/23
harukawani
4
デビュー短編集『首ざむらい』所収の短編「ねこまた」の続編が、この長編『ねこまた』。版元も変わってるけど、ぜひ前日譚から読んでほしいところ。いくつかの謎が物語を牽引するミステリっぽい面もあるけど、本作に関する谷津矢車さんの感想にあった「綺譚」という言葉がぴったりのふしぎなお話。大好き。もっと由原作品が読めますように。2025/07/30
あき
2
「猫吸いで猫と話せる」という猫飼いの夢!な設定に惹かれて購読。「おんも」「まんま」等々幼児語混じりのかちんの喋り方が可愛い。複数の謎が絡み合って最後にまとまる展開は好み。悪人らしい悪人がいないのも良き。これは続編があるだろうなあ。「首ざむらい」に収録されてるのが前日譚ってことになるのかな。そっちは未読なんでさっそく読まねば。2025/07/30