出版社内容情報
盛田照美、50歳。夫と娘がいる。ひとりになる必要のない人生を送ってきた。はじめての「ひとり旅」で温泉地へ。人生の折り返し地点をすぎて、自分の半生に想いを馳せる。わたしがここまでに成し遂げたもの、何かあったかしら……。思い惑い人生の苦みを抱えながら彼らは温泉地へと向かう。「温泉ソムリエマスター」でもある作者が描く、温泉愛に満ち満ちた、六つの極楽小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sayuri
38
「女友達の作り方」「また会う日まで」「おやつはいつだって」「わたくしたちの境目は」「五十年と一日」「島と奇跡」温泉に纏わる6話収録の短編集。タイトルと装幀から、まったりホンワリした物語を想像すると良い意味で裏切られる。朝比奈あすかさんのヒリつくような描写は健在。随所に棘もあれば毒もある。だがそれが物語のいいスパイスとなって、その後の解放感が半端ない。人生に惑い苦味を抱えていた人達が温泉旅で身体と共に心までほぐれていく様子に心癒される。どの短編も秀逸だが、最終話「島と奇跡」はタイトル通りその奇跡に感動した。2025/05/24
信兵衛
22
最近の温泉人気に伴っての“温泉”小説とは、さもありなん、と思ったのですが、各篇で必ず温泉は登場するものの、内容としてはむしろ“一人旅”にこそ意味があるのでは、と感じた次第。 お仲間がいない一人旅の場合、感受性が全方向になりますから、それだけ感じるものが大きい筈。 それぞれの主人公にとって、変わる転機になる、そこに面白味あり、と言えます。2025/05/23
ふわりん
10
タイトルとイラストを見た時は温泉巡りの漫遊記のようなものかなと思ってた。が、良い方に予想は外れて、いろいろな紆余曲折があって温泉で癒される話だった。どの話もシャキシャキの文章と、老若男女の主人公たちの気持ちの動きが上手く表されていて面白かった。「女友達の作り方」友達って作ろうと思って作るもん?長い付き合いの中では良い時も悪い時もあり、その時々で距離を近づけたり離したりで良くない?朝比奈さんの文章は読みやすく、おじさんじゃなくてもこれ解るわぁと共感できる場面もたくさんあった。温泉、しばらく行けてないなぁ。2025/05/21
Hanna
5
題名と第1作目から、ほんわか温泉旅物語と思い読み進めていたら、短編集だった。老若男女、お年頃や立場やらいろいろあるよね。2025/05/21
夏休み
4
表紙に1番癒されたかも。2025/05/10
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