内容説明
鳥類は運動能力は生物の中でも別次元だ。ヒトが酸素ボンベを必要とする高度8000m以上のエベレスト上空を、ツルの群れは悠々と越えていく。鳥は哺乳類などとは別次元の「スーパーミトコンドリア」を持っているからだ。酸素消費が高く、活性酸素が低く、脂肪の合成が低い。この形質は約2億5千万年前に起きた大絶滅(PT境界)後の低酸素という強力な選択圧のもとで、原始的な爬虫類(双弓類)から獣脚類(恐竜の一群)が進化する過程で生み出された。現在では鳥が獣脚類の一部であることがわかり、鳥と獣脚類の距離は縮まっている。中生代の覇者となった獣脚類、そしてその後継者である鳥は、低酸素への適応を通じてなぜ驚異の能力を獲得することができたのか。地球の歴史と共に辿りながら、恐竜や鳥の身体構造や進化の歴史、能力の秘密に、独自の説を交え迫る。
目次
プロローグ すべては低酸素から始まった
第1部 初期獣脚類のニュービジュアル(コエロフィシス(初期獣脚類)のニュービジュアル
三畳紀のチャンピオン、コエロフィシスの実態
鳥が恐竜になる日)
第2部 インスリンが織りなす新しい生物進化(インスリンで低酸素を生き残る;低酸素がボディプランを決める;空気が一方向に流れる肺;獣脚類への進化はゲノム欠損から始まった)
第3部 スーパーミトコンドリアが創った鳥と獣脚類(スーパーミトコンドリアが創った獣脚類;獣脚類の卓越した運動能力;鳥はもっとすごい!)
著者等紹介
佐藤拓己[サトウタクミ]
1961年岩手県生まれ。東京工科大学応用生物学部教授。岩手県立一関第一高等学校理数科、東京大学農学部畜産獣医学科卒業。京都大学大学院医学系研究科分子医学専攻博士後期課程修了。博士(医学)。大阪大学蛋白質研究所研究員、財団法人大阪バイオサイエンス研究所研究員、岩手大学工学部准教授、米国サンフォード・バーナム研究所研究員を経て現職。麻布大学獣医学部客員教授兼務。専門は神経科学、抗老化学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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