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光文社新書
遊牧民、はじめました。―モンゴル大草原の掟

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  • サイズ 新書判/ページ数 328p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334104238
  • NDC分類 382.227
  • Cコード C0239

出版社内容情報

広大なモンゴルの大草原。そこに生きる〝悠々自適〟な遊牧民。大自然に囲まれた彼らの暮らしを想像して憧れたことがある人もいるかもしれない。しかし、遊牧暮らしは本当に〝悠々自適〟なのだろうか。150kmにも及ぶ遊牧、マイナス40℃の冬、家畜という懐事情を曝け出した生活--。本書では、そんな遊牧暮らしのリアルを現地でフィールドワークを続けてきた著者が赤裸々に綴る。はたして草原世界で生き抜くための「掟」とは──。

内容説明

地平線の先までずっと続くモンゴルの大草原。そこに生きる“悠々自適”な遊牧民。大自然に囲まれた彼らの暮らしを想像して、一度は憧れたことがある人もいるだろう。しかし、彼らの暮らしは本当に“悠々自適”なものなのだろうか。一度で150kmにも及ぶ遊牧、マイナス40℃を下回る極寒の冬、家畜という懐事情をご近所に曝け出した生活―。本書では、そんな遊牧暮らしのリアルを、長年、彼の地でフィールドワークを続けてきた著者が赤裸々に綴る。ときに草原を馬で駆け、ときに大自然に牙を剥かれ、ときに遊牧民たちにどつかれる日々の中で気づいた、草原世界で生き抜くための「掟」とは―?

目次

第1章 遊牧民に出会う(「荒くれ者のモンゴル人」は本当か?;自分勝手なモンゴル遊牧民の苦難;遊牧民の心模様;そして草原世界への船出(馬出?))
第2章 草原世界を生き抜く知恵(遊牧民のふるまいと流儀;遊動と遊牧民の深い関係;遊牧暮らしのイロハ;アルタイ山脈最奥地での試練;厳冬期に知る草原暮らしの真髄)
第3章 遊牧民にとっての家畜(遊牧民と家畜の持ちつ持たれつ;世話の焼ける家畜の管理;肉ばかりの食事風景;乳まみれの暮らし)
第4章 野生動物とヒトの理(イヌとオオカミの傍らで生きる;「死」を運ぶネコとユキヒョウの昔語り;豊富なモンゴルの馬色を探し求めて;野生の知らせを感じ取る)
第5章 ゴビ沙漠の暮らしを追う(沙漠の暮らしを求めて;ゴビのラクダ遊牧民を訪ねる)

著者等紹介

相馬拓也[ソウマタクヤ]
1977年、東京都生まれ。ロンドン大学東洋アフリカ研究学院(SOAS)修士課程修了、早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。カッセル大学エコロジー農学部博士課程修了。博士(農学)。カッセル大学エコロジー農学部客員研究員、早稲田大学高等研究所助教、筑波大学人文社会系助教などを経て、京都大学白眉センター特定准教授。専門は人文地理学、生態人類学など。過酷な世界で“いきもの”として生存してきた人類と動物の適応戦略を、中央ユーラシアを舞台に研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

特盛

25
評価3.4/5。人類学者のモンゴル遊牧民の参与観察記。大帝国を作り、極端に厳しい自然に生きる人達、我々とどこが違うのか、共通するのか興味を持ち手に取る。文化、人について歯に衣着せぬ語りは現場感あり面白い。北斗の拳の世界に生きているような人生観、プライバシーもエンタメもない。一日30kmちかく歩き働く人々。多文化を知ることは自分の立ち位置を知ることである。モンゴルにも文明の浸透が進む。ラクダに乗れる人もいなくなり、牧童はバイクに乗る。著者は50年後のモンゴル人に読まれることも意識して書いたという。なるほど2025/01/16

itokake

14
【読書で世界一周】研究者のモンゴルエッセイ。モンゴル大好き、ではない著者の視点が面白い。モンゴル遊牧民の精神文化「うまくいかないのは何か(誰か)のせい」に、ハッとした。自然相手に遊牧をしていて、いちいち内省していたらメンタル持たない。天幕の向きは進む方向と一致する事実には鳥肌が立った。モンゴルのゲルは扉を南に向ける→モンゴルは南方の中国への侵攻。カザフのユルタは扉を東に向ける→カザフ(テュルク系)は東へ侵攻。古代の人々は、焦がれる方向に扉を作り、毎日その扉を開けるたびにその先の世界を想ったのだろう。2025/04/14

かんがく

11
遊牧民はこういう伝統があるからこういう性格で〜みたいな雑過ぎる印象論が気になるので学術書としては微妙だが、それとの裏返しで著者の正直過ぎる悪口が炸裂する未知の世界の体験エッセイしては面白いと思った。2024/11/23

リットン

5
こういう自分が絶対いかない場所に行った人の本は好きなんだけど、だいたい、日本人には理解できない非常識が常識だけど、彼らにしてみたら理にかなっていて、生活してるとみんな意外といい人なんだよね〜みたいな、ポジティブに現地の人を捉えるのが多い印象。だけど、この本の著者は、そんなに遊牧民の人たちや文化はそんな好きではなかったのかなとか思ったり笑。逆に言うと正直な感想なのかも。まぁ、にしても、よく生活できるなぁって感じで新鮮だった2024/11/13

蝶子

3
すごい悪口書くじゃん笑。冒頭からモンゴル人の短所を書き連ねていて大丈夫なのかトンデモ本なのか!?と思ったが、読み進めていくとフィールドワークの様子を冷静に数字を交えて説明する話が半分以上でやっぱり研究者の先生ではあるんだなと思った笑。学術書ではなく新書(しかも光文社新書)だからだいたいエッセイだと思えばとてもおもしろい。現代の遊牧生活について肉薄する。私は逆にもっと遊牧民は絶滅危惧にあるんだと思ってたので意外に21世紀でも現役バリバリの人もいるんだなと思った。乙嫁語りのスミスのことはどう思ってるんだろう。2025/03/08

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