出版社内容情報
名画の力とは、現場で作品に向き合ったときこそ発揮されるものだ――。前著『欲望の美術史』『美術の誘惑』『美術の力』『名画の生まれるとき』と同様、『産経新聞』夕刊に毎月連載されている「欲望の美術史」の記事を中心に、別の媒体に載せた記事や新たに書き下ろした原稿を加えて大幅に再構成した一冊。伝統の力から現代美術、美術館まで。博覧強記の美術史家による、美術の魅力をより深く味わうための、極上の美術史エッセイ。
内容説明
伝統の力から現代美術、美術館まで。美術の魅力をより深く味わうための、極上の美術史エッセイ。図版143点収録!
目次
序章 群像表現から見る人々の営み
第1章 伝統の力
第2章 巨匠たちの舞台
第3章 現代美術の奥行き
第4章 聖と俗を結ぶ
第5章 知られざる画家たち
第6章 美術における光
第7章 美術館と公共性
著者等紹介
宮下規久朗[ミヤシタキクロウ]
1963年愛知県名古屋市生まれ。美術史家、神戸大学大学院人文学研究科教授。東京大学文学部美術史学科卒業、同大学院修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Francis
11
カラヴァッジョ研究家として有名な宮下規久朗先生の産経新聞の連載記事を中心にまとめられた最新刊。私が行った展覧会の評も多く、自分書いているブログ評を思わず見直してみたくなった(面倒くさくて出来そうもないですが)カラヴァッジョについてしばしば言及されているのはさすが。カラヴァッジョもフェルメールと同様、最近になって再評価が進んだとのこと。あとがきで美術作品の実物を現物で見る事の重要性を訴えていきたい、と書かれていることに「その通りです!」と共感した。皆さん、美術は実物の作品を見てなんぼです。2024/09/10
ゆずこまめ
2
実際に開催された展覧会の解説が主なので、やっぱり実際に見に行きたくなった。昔に比べたらだいぶ高くはなったけれど。時給も上がっているとはいえ、学生が気楽に行ける金額なんだろうか。2025/05/28
rockwave1873
1
2020年代に日本全国で開催されたビジ展を作品の素晴らしさを色んな角度から、筆者の豊富な知識をもとに、誰にでも分かり易く解説したエッセイ集。帯に書いてある通り、「名画の力とは、現場で作品に向き合ったときこそ発揮されるものなのだ。実際に対面することが大事なのは、美術も人も同じである。」と言われてしまえばその通りだが、実際に対面、名画に出来ない者にとっては、上質紙を使い、写真もふんだんに使用している本書は、名画の力の一部だけでも触れる事が出来た一冊だった。2025/04/28
たけぞ
1
幅広く解説しているのがいい。チコちゃんに出てたんですね。2024/11/09
Go Extreme
1
群像表現から見る人々の営み: 都市と飲食 労働と祭礼 戦争と災害 伝統の力: ウクライナの美術 カラヴァッジョの少年像 フェルメールとベラスケス テート美術館展 北宋書画精華 山水画と風景画 巨匠たちの舞台: モネと連作 ピカソとその時代 マティスの海外世界 現代美術の奥行: アンディ・ウォルポール ゲルハルト・リヒター 李禹煥 ホックニー 聖と俗を結ぶ: 古代エジプトの葬祭 桜の絵 円空と蛇彫り 知られざる画家たち 美術における光: 光の透過・反射・屈折 美術館と公共性: 消えゆくヌード彫刻 美術と訴訟2024/10/04