出版社内容情報
人跡まれな山間部にある新興宗教『こころの宇宙』の聖地・心在院。そのさらに奥深くに位置する瞑想室・掌室堂には、百年前、瞑想中の修験者が施錠された堂から消え、山中で発見されたという逸話が残る。あるミッションを担い偽名で潜入した女探偵・安威和音(あい・わおん)は、密室のはずの堂で信者のバラバラ死体に遭遇。さらに立て続けに2つの遺体を目にすることとなり――。世間から隔絶された地で起きた連続変死事件に挑む!
内容説明
新興宗教『こころの宇宙』の聖地・心在院。百年前、修験者が脱出不可能なお堂から突然消え、山中で発見されたという伝説が残る。入信した娘を探してほしいとの依頼を受け、安威和音は記者を装い潜入。完全密室と化した件のお堂でバラバラ死体と遭遇する。その後、立て続けに2つの遺体を目にして―。隔絶された地での連続変死事件。女名探偵が完全密室の謎に挑む!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bayashi
13
カッパ・ツー二期の入賞作、ま~あ盛りだくさんな本格ミステリ。面白かった。腹いっぱい。苦手な名探偵モノでもあったんだけどそれもプレートの一品ってだけ、そこに重さは無いのでありがたい。2025/01/21
lucifer
11
これまた“探偵役”の主人公が胡散臭く感じられたが、最近の流行りなのか?とある目的で訪れた山奥にある新興宗教の修行場で、起きるはずのない事件が起きる。多少の読みづらさと、登場人物の魅力の無さがマイナスに感じたが、見取り図やALL密室トリックでの勝負、そこはかとなく漂うホラー感は良かった。ロジックも、次から次へと出しては潰して、思ってたより本格で結構面白かった。これがデビュー作のようなのでこの先楽しみ。2024/10/25
きゅうくつ
8
解説によると、単行本刊行直後に発表されたエッセイ「あの興奮を目指して」(「小説宝石」2021·8&9)にはこう書かれていたという。「超すごいトリックと超かっこいいロジックで作られた超素敵なミステリを目指し、自分の好きなものを詰め込んで書き上げた物語です。」確かに、超すごくて超かっこよくて超素敵でした!超おもしろかったです!2024/12/07
ジャム
6
女名探偵vs新興宗教の少年教祖による宗教施設で起きた密室殺人を巡っての熱き推理合戦に感嘆!麻耶雄嵩のデビュー作「翼ある闇」を彷彿とさせるような探偵役同士のロジックの応酬に唸りました!第2作以降も楽しみな新人さんです!2025/05/24
ワンモアニードユー
6
密室、閉ざされた山奥の世界、バラバラ殺人、首無し殺人、それに取り組む名探偵など、古式ゆかしいミステリファンには垂涎の材料。論理の積み重ねもあり、楽しくは読めたものの、サーカスが過ぎたきらいもあります。犯人、動機など、ストーリーを求めると若干弱い。しかし期待の新人ということは確か。2024/10/31