出版社内容情報
世界トップクラスの地位と報酬が約束されたゴールドマン・サックス。だがその実態は、金と女性に対するおそるべき強欲、嫉妬にまみれた職場だった――。同社の元マネージング・ディレクターが1998~2016年の在職期間に目撃した、ミソジニー(女性嫌悪)と人種差別にあふれる、堕ちた企業風土を明らかにする衝撃の暴露本。著者は巨額の退職金を捨てて、秘密保持契約書(NDA)へのサインを拒否。同社の内幕を告発する道を選んだ。
内容説明
元幹部の女性社員が衝撃の告発!秘密保持契約書を拒否し、退職金を諦めてまで明らかにした驚愕の内部事情。
目次
序章 辞められるのは一度きり(2016年)
第1章 ゴールドマン・サックスへようこそ(1998年7月)
第2章 “選ばれし人々”
第3章 ふたつのパーティ
第4章 1セント硬貨
第5章 祖父と祖母
第6章 灰色の世界(2001年9月)
第7章 カウントダウン(2006年)
第8章 マイクのカルチャー
第9章 ウォール街の失墜(2008年)
第10章 昇格試験
第11章 ダンとリッチ(2012年)
第12章 何者でもない私
第13章 結論
第14章 自由のためのスプレッドシート
第15章 小旅行
第16章 祭壇
第17章 検査結果
第18章 職場復帰のためのハンドブック(2015年8月)
第19章 ピート(2016年)
第20章 ママの日記
エピローグ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TATA
36
この数年でコンプライアンスとかインクルージョンとかの進展で世界中の企業の立ち居振る舞いも改善されたわけだけど、そうは言っても前近代的なところはいまだにあるんだろうな。GSで出世しようとする女性の苦難の日々を綴った一冊。でも多かれ少なかれどこもこんなことあるんじゃないかな。2024/10/26
紅咲文庫
24
ふー疲れた。ひとりで組織を変えることはできないし、オールドボーイクラブのメンバーが結局残ったのが悔しい。本の内容がこれから働く女性や若い人たちの参考になればいいと思う。しかしやはり、億を超えるボーナス、それをあと2回もらわねばやめられないとか、流産しながら歩いて帰ろうとする場面は、もうどうかしているぜとしか思えない。彼女が担った業務、空売りしたい人達の為に株を集めその手数料を利益とする、利益は社員を縛り上げる高給になり度を越した福利厚生に溶けていくが、そもそもこの事業は社会の何に役立つのか。苦々しい。2024/06/07
本の蟲
14
高額報酬の代名詞とも言えるウォール街の金融会社。中でもGSは素人の自分でも聞き覚えがある有名企業。裕福でない家庭から入社、勤続20年で上位8%の管理職にまで昇進するも、その呪縛から逃れて辞めた女性による告白本。顧客(ほぼ白人ヘテロ男性)とのコネやボスの機嫌で決まる待遇。私生活の犠牲で図られる忠誠。あらゆる差別を無くす制度や目標は絵空事で、社内はオールドボーイズクラブに支配され、キャリアを積むには迎合・適応するしかない。性別問わない成果主義や、ワークライフバランスの充実等、外資系企業に抱く幻想を叩き潰す内実2024/06/23
ぱぴゅ~~ん
7
日本の会社も同じようなものではないでしょうか。根底から改善しなくてはいけません。作者は自分が被害者だというスタンスのようにみうけられますが、20年間所属し、それなりの地位についていたわけですから、少なからず社員の命運を握っていたわけです。その人たちにそれ相応のことをしてきたでしょうに、其のことにさらっと触れているだけです。その方たちがこの本を読んだら、どんな気持ちになるのでしょうか。読み終わって、釈然としないものが残りました。2024/10/27
Stevie G
4
登場人物は本名とは思えないものの、株式レンディングの機関投資家営業をしていたチームなら名前を特定できますね。WASPの業界で女性でMDまでなるのは大変だったとは思いますが、女性のMDをゼロにはできないため誰かを任命しないといけないということでしょう。本邦の取締役会の女性比率の議論と同じです。この手の暴露本には賛否あるでしょうね。内容はたいへん面白く読みましたが、実際のインタビューや著作のPR動画を見ると、確かに弁は立つし頭が良いエリートの雰囲気はありますけど、言い寄られるような魅力は果たして・・・2025/04/11