出版社内容情報
葉崎市にある私設庭園〈パラダイス・ガーデン〉で、身元不明の老女の自殺死体が発見された。庭園のオーナー・兵藤房子は自殺幇助を疑われるがもちろんまったく覚えがない。葉崎署の二村貴美子警部補が捜査に乗り出すが、そうこうするうちに誘拐、殺人、詐欺などなど複数の事件が発生! 一体なにが起こっている? トリッキーでビターな若竹ミステリー最高傑作!!
内容説明
葉崎市にある私設庭園“パラダイス・ガーデン”で、身元不明の老女の自殺死体が発見された。庭園のオーナー・兵藤房子は自殺幇助を疑われるがもちろんまったく覚えがない。葉崎署の二村貴美子警部補が捜査に乗り出すが、そうこうするうちに誘拐、殺人、詐欺などなど複数の事件が発生!一体なにが起こっている?トリッキーでビターな若竹ミステリー最高傑作!!
著者等紹介
若竹七海[ワカタケナナミ]
東京生まれ。立教大学文学部史学科卒。1991年、連作短編集『ぼくのミステリな日常』でデビュー。以降、青春ミステリから歴史ミステリ、ホラーまで幅広いジャンルで、多彩な作品を発表。2013年、「暗い越流」で第66回日本推理作家協会賞“短編部門”を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yukaring
65
葉崎市にある美しい庭園〈パラダイス・ガーデン〉を中心に繰り広げられる自殺や殺人、詐偽など不穏な事件の数々。ひと癖もふた癖もある住人たちによる群像劇と全ての秘密が暴かれるラストに驚がくの1冊。〈パラダイス・ガーデン〉で見つかった身元不明の老女の自殺体。自殺幇助を疑われ大迷惑のオーナー房子だが今度はガーデンの名を語った老人ホーム詐偽が明らかになる。次々と起こる事件に目まぐるしく変わる人々の視点、そして個性豊かな女性警部補・二村が暴き出す真相はまさにトリッキー。胸にガツンとくるビターなテイストの物語だった。2024/06/26
ふう
65
解説文によると《コージーミステリー。第二次大戦時にイギリスで生まれた小説形式。ハードボイルドの反義語で、素人を探偵役として小さなコミュニティや人里離れた場所を舞台とするいごこちのいいミステリー》だそうですが、いえいえ、パラダイスガーデン以外、居心地の良さは感じませんでしたよ。事件も人間関係も複雑で、一見爽やかな海辺の街葉崎の犯罪密度の高さに驚かされます。解決したと思ったら、最後にやっぱりドロッとした仕掛けがあって、さすがは若竹氏。期待を裏切りません。長い作品ですが、おもしろくて一気読みでした。2024/05/25
onasu
18
身元不明の自殺死体から始まって、後半には誘拐、殺人…、とオンパレードなんだけど、読み手としては、そこに行くには前半の続々と湧いてくるおば(あ)ちゃんらをクリアしないと。 そんな賑やかしに付き合いながらも捜査にあたるのは、葉崎署の二村貴美子警部補。これがまた若竹さんらしく、警察のお偉いさんはぐずぐずで、二村は有能だが毎度の貧乏くじ。聞き込みに向かった先も妙な奴が続出。 読み出して数行で既読と確信、感想には時をおいてもう一度とあるので、期せずして果たしたが、若竹さん、新刊がないのはまたスランプなんかな?2024/03/19
マッちゃま
17
お久ぶりの若竹さんでコージーミステリ日本代表な葉崎シリーズもの。今作もとんでもない出来栄え♪ 多くの葉崎市民の名が登場人物表に並んでおり、少しずつ登場してくるのだが、まあ〜関係性も(←『も』なのよ)複雑。やっぱミステリ読みの性として、誰と誰が繋がってそうで…なんて新たな人物が出てくる度に人物表での確認や、未だ出てない方を確認したりで疑いの眼差しで読み進める。善人そうな方は本当に善人か?時には人を疑うばかりの自分を醜く感じたり、破茶滅茶な行動をする人物にニヤニヤしたりと作者の掌で遊ばれて、満足の読了でした。2024/02/20
barcarola
10
大好きな葉崎市シリーズ。久しぶりの作品だが、もちろん期待を裏切ることはなく楽しませてもらった。笑いの部分(?)が実に良い。事件は……かなり複雑な話なので心して読むべし。2024/05/04
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