出版社内容情報
雨に溶けていく、罪も穢れも――。
彼が現れたのは、雨の日だった。美しく出会う人すべてを魅了してしまう、アイドルの堀尾葉介。葉介と意外な形で関わる人々は知らぬうちに、皆その人生を変えられていく。
そして葉介自身の苦悩もやがて――。雨の降るいくつもの情景の中で、悶え苦しみながら生きる人々とカリスマを持つ男が邂逅する。哀切と意外性に満ちた連作短編集。
内容説明
彼を思い出すのは、決まって雨の日だった。美しく才能に溢れ、出会う人すべてを魅了してしまう、芸能人の堀尾葉介。葉介と意外な形で関わり合う人々は知らぬうちに、皆その人生を変えられていく。そして葉介自身の苦悩もやがて―。雨の降るいくつもの情景の中で、悶え苦しみながら生きる人々の罪やけがれが溶けていく。哀切と意外性に満ちた傑作連作短編集。
著者等紹介
遠田潤子[トオダジュンコ]
1966年大阪府生まれ。関西大学文学部独逸文学科卒。2009年『月桃夜』で第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。’16年、『雪の鉄樹』が「本の雑誌が選ぶ2016年度文庫ベストテン」第1位、’17年、『オブリヴィオン』が「本の雑誌が選ぶ2017年度ベスト10」第1位、『冬雷』が第1回未来屋小説大賞に。’20年、『銀花の蔵』が第163回直木三十五賞候補になるなど、注目やまない活躍を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふじさん
101
アイドルからスタートし、地道な努力を積み重ね、演技派俳優として大成した堀尾葉介が主人公。各章の主人公たちは、暮らす場所も職業も経歴も多種多様だが、葉介と人生の節目で巡り合うことで運命を左右され、人生をかき乱されるが、最後は過去から解放され、前を向いて歩むことになる。章が進むにつれ、ジグソーパズルのピースが埋まるように、彼の知られざる過去が明らかとなる。最後の章で明らかになる事実は、彼の人生に深い影を落とし、苦悩を抱えて生きることを強いられた人生に繋がったことが分かり心が痛んだ。やはり、遠田潤子は面白い。2023/09/16
相田うえお
100
★★★★☆23077【雨の中の涙のように (遠田潤子さん)】遠田さん作品は毎回ながら面白いと思う。まだ一冊も読んだことのない方がいたら全ての遠田さん作品をおすすめしてしまいそうである。さて、本作品だが、アイドルグループから俳優になった堀尾葉介を絡めた八つのブロック(章)で創られており、思わず笑みが溢れるもの、目が潤むもの、考えさせられるもの、などとバラエティーに富んだ構成でどれも甲乙付け難い。遠田さん作品、今後も目が離せない。(無駄話:当方、持ち運びが楽な文庫本派のため、新作の殆どが単行本なののが残念)2023/11/28
のり
68
どの章にも国民的人気の芸能人「堀尾葉介」が絡んでくる。非の打ち所のない洗練された立ち振る舞い。出会いにより、様々な形をとりながら人生の岐路となる。一時はその存在が疎ましく思う事もあったが、結果的には背を押される事に…しかし、堀尾葉介自身にも大きな秘密があった。それは決して表に出てはいけない十字架だった。演じ続けなければならない息苦しさ。代償を払った形になったが、開放された感もある。第二章のだし巻きの話が特に好みだった。2024/02/24
涼
63
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/08/post-b7bb18.html 幼い頃に心の傷を負った少年は、誰にも優しく接するのでした。最後の章では、ハラハラしました。2023/09/01
まこみん
55
図書館で借りたときお気に入りだったので、文庫出たので買って再読。やっぱり好き。2023/09/06
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