内容説明
警視庁の高島警視と久保主任は、難事件を専門に扱う特捜班に所属している。鉄壁のアリバイを持つ容疑者、密室に突然出現した死者、細かく切り刻まれた惨殺死体…。二人がかかわる事件は、解決の糸口すらつかめないようなものばかり。事件に行き詰まった彼らは、たまたま訪れた競馬場で、哲学好きで短歌趣味で馬券師の男と出会う。男が開陳した、驚くべき推理とは!?変幻自在の鯨ミステリが、三十一文字の中に森羅万象を詠む。
著者等紹介
鯨統一郎[クジラトウイチロウ]
1998年、『邪馬台国はどこですか?』でデビュー。傑作・怪作・奇作・話題作を連続する、本格推理界随一のトリック・スター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とも
40
★★★相変わらず、バカバカしい。哲学探偵とは題名からして、ネタ切れテレビでよくある2時間番組なみ。鯨のこういった小説でよくあるのはテーマの掛け合わせ。今回は題名の哲学をメインテーマに、短歌と競馬を掛け合わせた短編小説。まぁなんとも幅の広い興味だろうかと感心。内容としては大したことはないが、時間つぶしには持って来いの一冊。2015/12/26
さくら猫
4
哲学×ミステリ。無理矢理繋げてたりしますが読みやすく愉しいですよ。競馬について少し詳しくなりました(笑)2010/02/06
なみつ
3
哲学×短歌×競馬という異例の組み合わせ!しかも短編集。しかも登場人物は共通。けっこう初めてのパターンかもです。事件が起きて刑事が捜査、探偵が解決、ある意味様式美で、かなりさらっと読めます。この状態を「本格推理小説」と言っているのかな。とんでもトリックもあるけど、てきぱきどんでんなので流せる。哲学が好きなので、そうだったなーカント、いたねーハイデガー、という感じに楽しめました。哲学探偵さんはふつうにクズなので逮捕されていいと思います。高島さんに心境の変化が途中あったように思うけど特に何も起きませんでした。2025/08/13
きしな
3
違和感がある…!と唸りながら読み進めました。過去読了した探偵物と比べ、今まで正であり清な探偵が多かったからではと…。(だって罪を白日に晒す役割ですし…)どう考えても豪遊、女遊びは悪濁な気が…。しかし改めて考えると悪濁を知らずして殺人などの人の憎悪を想像して解く探偵のほうが変?という気も…。中心3人は否定賛成中立の弁論の立場をとっている感じなんですか…ね?探偵が何者かもわからず、哲学と短歌そして競馬という盛り沢山の知識に、今だ頭の中で馬が走り続けているような騒々しさだけが残りました…。2015/04/10
zazo嶋
3
ミステリと哲学と競馬の融合...?? 融合??してるのコレ?つーくらいに不思議な作品。競馬も哲学も初心者には興味を持つようなさわりをなぞりつつ事件解決に展開させてるんですが...結局この哲学探偵(?)というキャラが一人勝ちw。 まぁことごとくG1馬券を獲りまくり、THIS IS 泡銭的な散在はある意味羨ましい。この男がこうも大穴やG1馬券を獲る方のがむしろミステリーですらある。 とは言え決してツマラない訳でもなく読んでいて憤慨するでもないのは「鯨」ブランドが成せる所以。流石。2009/10/09
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