内容説明
近未来―金森詳子は、従兄で次世代コンピュータの開発者・谷津原禎一郎からの依頼により、VR世界であるものを探索していた。その空間内で“ソルト”と名乗るものから突然攻撃を受ける。さらに現実世界に戻った詳子の目の前で、今度は“ペッパー”という名のピエロが忽然と姿を消失させてしまった!“ソルト”そして“ペッパー”とは果たして何ものなのか?その謎を探るため、かれらが出没するというVR世界“オメガ・エンド・ファイナル”に詳子は向かうが…。日常のすべてがコンピュータによって編まれる、すぐそこにある未来を鬼才が描く!ハードSF長編。
著者等紹介
菅浩江[スガヒロエ]
京都市生まれ。高校在学中に「ブルー・フライト」でデビュー。平成4年長編『メルサスの少年』、翌年短編「そばかすのフィギュア」で星雲賞を連続受賞。13年に『永遠の森 博物館惑星』で日本推理作家協会賞並び星雲賞、『SFが読みたい!』国内篇第一位を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
碧海
0
ちょっと専門用語が多くて読みにくい気もしましたが、ありえそうな近未来っぽさがよかったです。ただ中盤が細かく書かれすぎていて終盤がちょっと物足りない感じもしました。2012/02/01
里希
0
★★★☆☆。SFを読み慣れていないので、色々考えながら読んでいたら頭がぐるぐるしてきた。割と早めにオチが見えてしまったのはちょっと残念だけど、その分安心して読めたような気がしないでもない。2012/06/03
ばるさん
0
仮想現実や拡張現実が発達した世界での物語。創作論、現実感の喪失、仮想世界での電子戦、アーキテクチャの発達など見所は多い。ハードな語りで展開していくのだが、ラストは非常に人間臭い。なかなか楽しめた。2012/03/30
うどんこ
0
バーチャルリアリティのハズなのに、相手からの攻撃を痛みとして感じられる。バーチャルリアリティ世界から外に出た現実世界にいるのに、ペルソナが現れる。その恐怖と対峙しつつ、謎を解いてゆくわけです。現実とバーチャルリアリティが交差するところや、電話回線で繋がっただけの向こう側から攻撃される恐怖は、「ターミナル・ゲーム」と共通するものがあります。どちらかというと、「ターミナル~」の方がSFしてない分、恐怖感は強いかも。特に、この作品の最後は、SFらしい終わり方かと。 2003/07/13
kuma-kichi
0
予想していたけどそうあって欲しくない、と思いながら、でも嗚呼やっぱり。ちょっと淋しいお話になってしまいました。2009/12/29