内容説明
「誤差」は、法医学と人間心理の“誤差”にからんで、真犯人を追及するとともに、男女の微妙な愛の心理を描いた推理小説である。この巻にはまた、美術界に知られた贋作事件を背景に、アカデミズムに背をむけた一人の男の孤独と、壮烈な復讐計画を追った力作「真贋の森」。一人の天才の足下に、こやしともなって埋もれたその“親友”と、よそおわれた伝記の“真実”とを発掘する「装飾評伝」などを収め、とくに著者とくいの題材と手法を駆使した作品が多い。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ライクロフト
4
再読。この短編集の中では「真贋の森」が圧倒的に面白い。学術界における復讐譚であり、贋作画家を養成していく過程が、二次創作をやってきた身としてはとても興味深い。一次創作ではパッとしない人が二次創作だと抜群のセンスを発揮するとかあるものなあ…。2018/11/03
つじさん
3
清張の美術に対する関心の深さを知る。また、千利休から歴史小説にも通じ。幅の広い作品が収録されて面白かった。 2015/09/06
アキ
3
装飾評伝、真贋の森が美術界の暗部を描いて面白い。清張の得意分野。2014/10/27
コマンドー者
2
清張氏の昭和30年代の短編を7編収録。推理ものからサスペンスに歴史ものとバラエティに富んだ構成。表題作よりも、中編ほどのボリュームのある真贋の森が一番読みごたえがある。2024/03/16
雲國斎
2
清張は,長編も短編も読ませるなあ。2006/01/11
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