内容説明
「それは、私が19歳の頃…二階堂と会う前の話なの。私立海星女子高校を卒業した年の夏に起きた事件です」日美子を中心とした仲良し三人組の一人、田川有里江の姉・左千子が失踪した。左千子は、三人組のもう一人、安城寺邦香の父である高校教師・郁夫と交際していたらしい。左千子の行方を探して、郁夫の借りている志賀高原の別荘に赴いた日美子たちは、郁夫の死体を発見した。そして、目を離したわずかの間に、その郁夫の死体が消失するという怪事件が起きた!「瓜食めば子ども思ほゆ栗食めばまして偲はゆ―」別荘の壁に貼られた山上憶良の歌が意味するものは何か!家族の絆と男女の情愛に揺れる「おくら先生」安城寺郁夫。事件の真相が、驚くべき真実が、いま明かされる。
著者等紹介
斎藤栄[サイトウサカエ]
1933年、東京生まれ。東京大学法学部を卒業後、横浜市役所に勤務。’66年に『殺人の棋譜』で第12回江戸川乱歩賞を受賞
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