カッパ・ノベルス<br> 二進法の犬

カッパ・ノベルス
二進法の犬

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  • サイズ 新書判/ページ数 755p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334073169
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0293

内容説明

家庭教師・鷲津兵輔が、生徒として引き受けることになった女子高生の乾倫子。彼女の父は、少数精鋭の武闘派博徒乾組組長・乾十郎であった。鷲津は、乾組という組織、十郎の「白い黒か」を徹底する究極の生き様、そして倫子の凛とした存在に、しだいに自分の所在を見いだしていく。やがて鷲津が手にしたある情報が、乾組を揺るがす大きなうねりを引き起こす。博打、抗争、性愛…激流のなか、鷲津が手にしたもの、それは―。ひとの心が抱える深い闇―その暗黒を重厚に、そして狂おしいまでに切なく描き、あらたな“倫理”を世に問う、芥川賞作家・花村万月の超大巨編、ここに登場。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ウメ

5
萬月さんの作品では、これが一番好きで何度も読み返している。正直そんなに深い小説ではないのだけれど、「0」か「1」か、「生」か「死」か、その針の振り切れ方が、たまらなく面白い!2012/02/12

岩崎二人

2
言葉の概念に関する話は難しいが、なるほどと思える部分も多い。本自体の奥行もすごいですが、物語の奥行がすごい。主人公自身は一般人だが、ヤクザの世界に相対したときの感情は、一般人の感覚を的確に捉え、さらに深く掘り下げて考えている。そして何より、展開が読めない。その部分を楽しむ作品ではないかもしれないが、登場人物の行動が我々の感覚、よく見るヤクザを超越している。ニヒルの話はかなり面白い。2013/03/21

聖月

2
◎◎設定など、関係ないのが萬月作品である。なるほど、家庭教師とやくざという組み合わせは面白い。読みたくなるような設定である。しかしながら、描写力、書き込んでも書き込んでも止まない筆力、背景を流れる哲学、そんなものが渾然一体となって萬月作品を作り上げていく。溢れるパワー、エネルギッシュな展開に、評者は原稿で言えば1600枚の本書を、2日間の連休で一気に読み終えた。ふう、ス・ゴ・カ・ッ・タ。2002/03/07

ぽけっとふくろう

1
 圧巻。ハンディタイプの辞書位の厚さがありましたが、ぐいぐいと読めてしまいました。二進法の犬。うまいタイトルをつけたものです。一歩間違ったらセンチメンタルな話になりそうなのにそうはならない。その筆力に酔いしれる1冊です。愛と暴力と家族の物語。不器用だけれどしっかりと筋の通った人達の哀しい物語。2013/01/30

とろろろ

1
[2007年マイベスト3位] 究極の生き様と究極の情愛。博徒の闘い、虚無への問いかけ。エログロバイオレンス。博徒の生き様が凄すぎて吐きそう。兵輔と倫子の狂おしい愛情が切なすぎて死にそう。花村萬月はライトノベルよりも読みやすい思ってる。とんでもない読みやすさなのに、この読み応え。1000pで中だるみを感じさせず、一気読みしてしまう求心力があった。傑作以外の何物でもない。二進法の犬を読み、精神的ブラクラを受けてしばらく立ち直れなかった俺。 なんと心が弱いのであろうか。

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