内容説明
太平洋戦争末期、戦局を打開する有力な戦闘機の必要に迫られた軍は、ドイツの最新鋭ジェット機Me‐262に着目、特使として冬木中佐をベルリンに派遣した。大使館員坂井の助力で、ヒットラーから三機を譲り受けた冬木は、ベルリン陥落の混乱のなか、ハンブルグに係留中の貨物船明日香丸で、遙か三万浬かなたの日本への輸送作戦に乗り出す。ドーバー海峡封鎖を図るイギリス海軍。ソ連の要請を受けたスペイン巡洋艦の攻撃…。新鋭機搬送を阻止せんとする連合国側の執拗な追跡を必死に逃れる明日香丸。息をもつかせぬ迫力で描かれた書下ろし海洋冒険小説の白眉。