内容説明
西新宿のホテルで元CIAの米人ブライドが殺され、新宿署刑事・鮫島の追う日系コロンビア人・ハギモリが消えた。事件の鍵を握る平出組の前岡に迫る鮫島。しかし、事件に関わるすべてが、なぜか迅速強固な公安警察の壁で閉ざされる。その背後には元公安秘密刑事・立花の影が。捜査の過程で鮫島は、美しく、孤独な女・杉田江見里と出逢う。その鮫島を幾重にも襲う絶体絶命の危機!!血と密謀にまみれた立花が守る、公安の奥深くに隠された秘密とは?ラストに絶望と至福が、鮫島を、江見里を、そして読者を待ち受ける。二年ぶり待望のシリーズ第6弾、新たなる興奮と感動のページが開かれる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...
21
新宿鮫シリーズの第6弾。第1弾の新宿鮫と2作目の毒猿くらいまでは新鮮味もあって面白かったが、その後しばらくマンネリ化~、とうのが正直な印象。なのであまり期待もせずに読んだが意外に面白かった。政治がかった公安警察ものって感じ。現実の世界でこの作品のようなことが本当におこり得ることなのかどうかは知るよしもありませんが、権力の中枢では起こっているのかもしれない、そういった怖いもの見たさや汚い世界を見てみたいという欲求が、この手の作品を新鮮に感じさせているのかもしれません。大沢親分、さすがの安定感♪2011/05/13
たかゆじ@石原プロは永遠だ!!!
6
晶と鮫島、これからどうなるのかも気になるところだし、メインのところもよかった。公安、政治家といった日本のきな臭いところが描かれているのもよし。前半の総集編みたいなところかな?2024/06/27
可憐咲き
6
★★★★☆ 今回は、一冊読み切るのに大分時間が掛かってしまったが、ラストまでワクワクしながら読めた。 事件内容は、政治、スパイ、公安、警察機構の闇の部分と、ボリュームたっぷりで読み応えがあったが、一番は、新宿鮫鮫島というか、中年鮫島感がありありと出ていたような感じであった。 鮫島の新しい出会いや何かを達観した感じ、諦めの悪さと諦めの早さなど、人間臭さが至る所に出ていたと思う。 ただ、ひとつだけ言えることは、晶を大切にしなさい! ということです。2019/02/14
てつ
6
内容盛りだくさん。魔性の女性、杉田の出現、心惹かれる鮫島。そして晶と微妙なすれ違いが生じ、そこからどんどんと溝が深まる。これまでのシリーズとは一風変わった変化が面白い。CIA,公安の秘密めいた陰謀、画策、戦略戦にも引き込まれる。鮫島の心の揺れ動きも人間臭さがあってよい。香田との関係にも変化が生じ、シリーズの中間で、転換となる印象深い1作2013/03/31
E-ku Stray Cat
5
三年ぶりぐらいの再読。確かに濃い話でグングン引き込まれる。よくこんな物語を思い付くなと、唸るほど感心する。 が、しかし!!最後の2ページで全てが吹き飛ぶ。圧倒的なページ数全てを台無しにしてくれる。鮫島も所詮はオスなのだな、と。身代わり早すぎんだろ。2017/11/03