内容説明
僕の銃口の標的は、五人のボクの心臓。『群像』新人文学賞作家が贈る、奇妙なハードボイルド秀作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
119
シブく、適度に軽いタッチのハードボイルドサスペンスです。主人公は「殺し屋」で、ある依頼電話から指定の人物の殺害を依頼されます。依頼人からの指示でターゲットを確認すると、なんとソコには自分の顔が。ちょっとしたSF的な部分もありますが、基本的にはハードボイルド感が強いので、あまりフラつかずに読み進めていけました。新井さんの作品って、不思議とドコかが人情的で読んでいてホロッとなりそうになるトキがあります。クライマックスのシーンは、まるでアクション映画を観ているかのような臨場感あふれる素晴らしい描写になってます。2019/05/18
きのこ
3
今まで読んできたものとは趣向が違って、でも面白かった。 殺し屋が自分のコピーを殺していくという設定。 最後には自分がオリジナルなのかコピーなのかわからなくなるという怖さも。 コピーの場合、心臓を破壊するとソーダ水になって消えてしまうっていうところも好き。 コピーの一人、お医者さんの奥さんがいい味出してます。 もしかしたら私も誰かのコピーだったりして。2009/11/17
遊真
2
コピー人間たちによる生き残りゲーム、と書くとなんだかひどく殺伐とした話のように思えるが、実際はそうでもない。ユーモアと悲壮感が同居した不思議な作品。