カッパ・サイエンス<br> いま「ヨーロッパ」が崩壊する〈上〉殺し合いが「市民」を生んだ

カッパ・サイエンス
いま「ヨーロッパ」が崩壊する〈上〉殺し合いが「市民」を生んだ

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  • サイズ 新書判/ページ数 250p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334060817
  • NDC分類 230.04
  • Cコード C0230

内容説明

ヨーロッパが崩れている。それは、この日本が崩れつつあるということだ。「比較文化論」は、何を目指すか。

目次

序 ヨーロッパの彼方に「日本」が見える
1 日本に西欧型「社会」は存在するか
2 現代ヨーロッパを解く鍵は、中世にある
3 戦わざる者、市民にあらず

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シュラフ

7
明治維新により欧米の学問・技術を受け入れた結果、現代の我々日本人は西欧の概念を内在した存在である。混迷する現在の様々なことを理解するためには西欧の思想の背景を知ることで、西欧の概念を内在する日本というものが見えてくる。示唆に富む話として、西欧式の拡大成長社会では勝たなければならない社会だが、一方で安定社会は負けなければよい社会である。勝てないことが敗北だということによる精神的自己崩壊がおこっている。まさしく今の日本の成果主義の風潮による自殺・うつなどの精神的自己崩壊を言い当てているように思える。 2013/09/11

ja^2

4
四半世紀ほど前の本なのでどうかなと思ったが、この種の本質的な議論は不変なので、今読んでも十分に面白かった。とりわけ、「都市国家」とそれを構成する「市民」の概念が今更ながらよく理解できた。▼古来、都市を囲う城壁を持たずに生活してきた日本人には「都市国家」という言葉は今一つピンと来ない。それは塩野七生の「ローマ人の物語」を読んだ時に感じた。▼都市が敵の手に落ちれば皆殺しに合うか、すべてを掠奪されるかだ。そうならないようにするための城壁であり、市民であったのだ。まさに殺し合いが「市民」を生んだのである。2021/12/30

ほしかげ@漫画以外

0
『われわれはヨーロッパの危機を笑ってはいられない』 「個人」「市民」「社会」。明治維新の後、多くの概念が留学者たちによって訳され、持ち込まれた。今でこそ当然のように使っている言葉の多くは、その時受け入れられた異文化なのだ。それを今、私達はよく考えもせずに使っている。文化基盤の異なる概念が、元の形を保つことはできないということも知らずに。「今」の日本社会の有り様に、私達はもう少し自覚的になるべきなのかもしれない。2011/11/28

古川順弘

0
少し前にワシントン・ポストが、「日本が右傾化している。」と書いたそうな。しかし、すべてが融けきってしまっているこの国に、大事なものを切り売りして自由と経済をてにいれてきたこの国の国民に、右傾化するだけの力は残っていないと思うんだけど。と、ふと思った。だいぶ前の本だけど、けっこういい本。

0
(1994,302.3)館主オススメ本、面出し。今の情勢に合っていると思ったら、昔の本だった。私は阿部 謹也「日本に西欧型「社会」は存在するか」だけ読んできたのだが、ケガレの観念の民俗学者の怠慢、聖と俗のあいまいなど、考えてしまった。昔のことばっかりで今を論じていないのは学者と言えるのかなど。「参籠起請」など「鎌倉殿」とも関係がありそう。館主の書評によると、ウクライナの覚悟のようなものが推し量れるのでしょう。2022/04/23

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