内容説明
竹内栖鳳、山元春挙、上村松園、土田麦僊…総勢54名の巨匠の名作を紹介。近代京都日本画壇を最新の知見でナビゲート!幕末から戦後まで、唯一のフルカラー通史本。
目次
1 再興する京都画壇―如雲社と画学校の時代
2 栖鳳・春挙の登場―「日本絵画の一大革命」
3 文展開幕―台頭する新世代
4 国展独立の新風―「自由ノ創造ヲ生命トス」
5 花開く帝展モダニズム―京都画壇の昭和新時代
6 戦争の時代を超えて―現代日本画の幕開け
著者等紹介
植田彩芳子[ウエダサヨコ]
昭和50年生。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。京都府京都文化博物館学芸員
中野慎之[ナカノノリユキ]
昭和60年生。京都大学大学院文学研究科博士前期課程修了。京都府教育庁文化財保護課(絵画・彫刻・工芸品担当)を経て、文化庁文化財第一課(絵画部門)
藤本真名美[フジモトマナミ]
昭和62年生。大阪大学大学院文学研究科博士前期課程修了。和歌山県立近代美術館学芸員
森光彦[モリミツヒコ]
昭和60年生。同志社大学大学院文学研究科博士課程前期修了。京都市学校歴史博物館学芸員。立命館大学、京都女子大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ジャズクラ本
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○現在の京都市立芸術大学へとつながる京都画壇の変遷と図録を兼ねた美術書。幸野楳嶺から華香、芳文、栖鳳、香キョウを四天王とする画壇の関連人物を体系的に網羅している。明治〜昭和初期、東京画壇と日本を二分する大勢力であったものが最近は一地方画壇程度にしか評価されないこともあり、これを憂えて刊行されたようである。富岡鉄斎や上村松園など特別展が開催され得る画家はごく一部で、当時相当高名でも現在は顧みられない人物も多い。しかし京の道具屋では現在も彼らの作品が扱われており、この書を携えて道具屋巡りをするのも面白そう。2020/11/07
kaz
1
内容を眺めていると「京都」で括ることにどれだけの意味があるのだろうと思いつつ、諸々の作家の代表作が一覧できるのは嬉しい。図書館の内容紹介は『近代京都の日本画の歴史を時代ごとに6つの章にわけ、その時代を代表する作家を代表作とともに紹介し、画家たちの動向や時代背景を理解するためのコラムを付す。同時代の東京の美術界の動きも解説する』。2021/02/11
analjustice
1
京都の絵画というと宗達光琳が別格で江戸時代中期くらい応挙若冲、次いで蕭白芦雪、大雅蕪村といったところで幕末~明治期に活躍した絵師をまとめた書物って意外と少ないのかも。塩川文麟や幸野楳嶺とか観る機会も少ないですしね。かなり力が入っていて読み物としても面白いです。上村松園、竹内栖鳳、最近人気の木島櫻谷はほっといても展覧会が開かれると思うので1840~1850年代生まれ明治に全盛を迎えた絵師、今尾景年、鈴木松年、東京だと松本楓湖、渡辺省亭あたりの回顧展を是非お願いします、著者の皆様!2020/09/23