目次
織部との衝撃的な出会い
戦後のまばゆいばかりの欧米文化に圧倒されて
前衛芸術の流れの中で映画を作る
織部に魅せられて茶の湯の世界へ眼を開く
織部をたどって利休に出会った
厳粛な緊張感が最高の刺激となる茶会
亭主と客がいて初めて成立する芸術
社交下手が生んだ人間交流の場
今日の茶会をするために
門から始まる茶会のストーリー
客の気分をやわらげる炭点前
いつも一期一会の心で臨む
極小の中に無限が広がる茶室
ガウディの建築と利休の草庵
茶室の中はすべて平等である
美しく見せるために形が残った
陶器作り二十年で得たもの
茶碗も飯碗もよければ使う
利休の黒が訴えるもの
道具を介在させて意識革命を行なった利休
はかなさを花に求めた利休
花がつくる主客が一体になる世界
花の固有性を超えたいけばなを目ざして
「花は野にあるように」は反自然の美意識
いけばなの家に生まれて
文化の力を重視する日本を
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
デビっちん
2
戦後の西洋文化の衝撃により、いけばなの家元の著者は、アバンギャルド(前衛芸術)に駆り立てられたが、古田織部の茶碗と出会い、師である利休に興味を持ち、日本人のルーツである茶に引き込まれていく内容。不完全なものの中に美を見出す。茶会とは、自然、建築、工芸、美術、儀礼、宗教、文学などの世界を、ある狭い空間の中に閉じ込めた、総合の芸術。限定された極小の空間の中に精神的なものをすべて託して、自分の生き方そのもの、美の意識のすべてを凝縮していこうという姿勢がある。利休は、茶会を物と身体と精神の総合芸術まで高めた。2014/12/29
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