内容説明
際限のない「超」長時間労働、硬直した企業文化、「お客様は神様」に代表される過剰なサービス―。現代日本を蝕むさまざまな問題は、突き詰めれば私たちの「仕事」観に由来している。高度資本主義下での摩耗を避けたければ、会社のなかの「組織人」として生きるだけでは十分でない。私たちは同時に、社会のなかの「職業人」としても生きなければならないのだ―。本書はこの要請とジレンマを出発点として、働き手と組織、その双方が共栄していくための方策を探る。「やりがい搾取」問題の火付け役として知られる社会学者がデュルケームに遡り、ときに『かりあげクン』をも参照しながら、私たちの「職業」を軽やかに問いなおす。疲弊した日本経済が自壊するその前に、職業社会学は新たな地平を拓けるのか―。
目次
第1部 働く人を守る「職業」(「やりがい搾取」を考え直す―有機的連帯、労働組合、ユーモア;池井戸潤と戦後ヒューマニズム)
第2部 組織を強くする「職業」(職業人vs.組織人―脱‐組織のマネジメントの重要性;「パートタイム田舎就労」の可能性とオルト・エリートの挑戦)
第3部 補論―ポスト戦後社会と「職業」(不安定な職場で「軽やかに」生きるために―ポスト日本型雇用社会における茶化し/ズラしの条件;組織文化の「脱ジェンダー化」とテレワーク―コロナ禍での失敗をどう生かすか?)
著者等紹介
阿部真大[アベマサヒロ]
1976年、岐阜県岐阜市生まれ。社会学者。甲南大学教授。専門は労働社会学、家族社会学、社会調査論。気分は高揚しつつも徐々に身体が壊れていくバイク便ライダーたちの姿を描いた『搾取される若者たち―バイク便ライダーは見た!』(集英社新書)でデビュー。ポスト日本型福祉社会におけるセーフティネットのあり方について、社会学的な見地から考えている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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