内容説明
「Web3」とは、「巨大IT企業(ビッグテック)の支配から個人が解放されたインフラ」で、「要素技術としてブロックチェーン、なかでもNFTあたりを重視する」くらいが最大公約数的な説明だろう。結論を先取りすれば、ぼくはWeb3はあんまりうまくいかないだろうと考えている。一つは、実現手段をブロックチェーンにこだわりすぎているから。もう一つの、より大きな理由は利用者の欲求だ。一般利用者は本当にレイジーである。少しでもめんどうなステップがあると、そのしくみを使わない。そして、Web3は不可避的にめんどうなしくみなのである。―「次世代のインターネット」といわれる「Web3」について、ベストセラー『メタバースとは何か』の著者が、わかりやすく多面的に解説!
目次
プロローグ 新たなバズワード登場?
第1章 ブロックチェーン
第2章 NFT
第3章 メタバース
エピローグ 幻想のWeb3
著者等紹介
岡嶋裕史[オカジマユウシ]
1972年東京都生まれ。中央大学大学院総合政策研究科博士後期課程修了。博士(総合政策)。富士総合研究所勤務、関東学院大学経済学部准教授・情報科学センター所長を経て、中央大学国際情報学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
78
この分野の幾つかの本を読んでいたのですが、少し物足りなく技術的なことに偏っていた感じがしたのでこの本を読むことにしました。説明が丁寧な感じでWeb3ということが今まで理解していたメタバースの様なものが中心になると思っていたのがもう少し深く理解することができました。とくにNFTということについての理解が深まりました。2023/03/25
よっち
32
Web2.0と何が違うのか?ビッグ・ビジネスになるのか?社会への影響は?次世代のインターネットといわれるWeb3の可能性と限界をわかりやすく解説する一冊。Web3はざっくり巨大IT企業の支配から個人が解放されたインフラで、要素技術としてブロックチェーン、なかでもNFTあたりを重視する、人によってはここにメタバースを加えるという解説は分かりやすくて、著者が言うようにNFTの「所有権はなくブロックチェーン内でしか効力がない」という懸念は頷けるところがありました。もう少し冷静な視点が必要なのかもしれないですね。2023/01/12
masabi
12
【概要】web3としてひとまとめに喧伝されるブロックチェーン、NFT、メタバースを解説する。【感想】web3の理想は高邁でも、それを実際のサービスに落とし込むためには運営側にも利用者側にも負荷が大きく、それ故に筆者は懐疑的な立場を明確にする。web3に限らず流行りの技術だけが問題を解決するのか、既存の技術でも十分ではないのかといった冷静な視点を持ち続けていたい。技術に思想が絡んでいるので盛り上がりを見せるが、一般利用者層にまで普及する際には思想が廃れなければならないのかもしれない。2023/04/03
Iwata Kentaro
12
頂いた本。実に面白かった。まず文章が上手。とても参考になった。NFT、ブロックチェーンとかをプロフェッショナルに解説しながらできること、できないこと、できなそうなこともキレイに解説、アオリもなし、で好著です。2022/12/09
kaida6213
8
入門書だが赤裸々にブロックチェーンのデメリットが書かれていて面白かった。すべて代替できるわけではないと。あと語り口が軽妙で読みやすい。2023/05/06