出版社内容情報
自分にふさわしいものを自分で見つけてほしい――。120余年の映画史を俯瞰する、シネフィル教授による最初で最後の新書。
内容説明
映画は自分の好きなものを、他人の視点など気にせず自由に見ればいい。ただし優れた映画には必ずハッとする瞬間があり、それを逃してはならない。映画が分かるということは安心感をもたらすが、そこで満足するのではなく、その安心を崩す一瞬にまずは驚かなければならない。そして、驚きだけを求めてはいけないし、安心ばかりしているのも否。その塩梅は、画面と向き合う孤独というものを体験することのみで得られる。どのような瞬間に目を見開き、驚くべきかは実際にある程度分かるものであり、その会得のために見ることのレッスンは存在する。サイレント、ドキュメンタリー、ヌーベル・バーグ、そして現代まで120年を超える歴史を、シネマの生き字引が初めて新書で案内。
目次
第1講 現代ハリウッドの希望
第2講 日本映画 第三の黄金期
第3講 映画の誕生
第4講 映画はドキュメンタリーから始まった
第5講 ヌーベル・バーグとは何だったか?
第6講 映画の裏方たち
第7講 映画とは何か
著者等紹介
蓮實重〓[ハスミシゲヒコ]
1936年東京生まれ。映画評論家、フランス文学者。’60年、東京大学文学部仏文学科卒業。’65年パリ大学大学院で博士号取得。東京大学教養学部教授を経て、東京大学第26代総長。映画雑誌「リュミエール」の創刊編集長も務める。’77年『反=日本語論』で読売文学賞、’83年『監督小津安二郎』(仏訳)で映画書翻訳最高賞、’89年『凡庸な芸術家の肖像』で芸術選奨文部大臣賞、2016年『伯爵夫人』で三島由紀夫賞をそれぞれ受賞。1999年、フランス政府「芸術文化勲章」を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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