出版社内容情報
厚生労働省の現役官僚が、「地域包括ケアシステム」の具体的な行政手法を紹介。地方自治体と市民の協働により、次の一歩を踏み出せ
内容説明
実行役の市区町村と地域を守る医師会の二人三脚を阻むものとは!?現役厚労官僚が現場で見て、聞いて、考え、実践した虎の巻。
目次
第1章 地域包括ケアシステムは、どこまで出来上がっているのか?(地域包括ケアシステムとは何か?;なぜ、皆が地域包括ケアシステムと言うのか? ほか)
第2章 そして、地域包括ケアシステムは深化する(これからも地域包括ケアシステムは必要とされるのか?;地域包括ケアシステムの深化とその必要性 ほか)
第3章 地域共生社会はこうして出来上がる(地域共生社会の作り方;こうして出来上がる地域共生社会―岡山市の総合相談編 ほか)
第4章 「地域包括ケアシステム」と「地域共生社会」の、その先に―(日本が抱える最大の課題とは;社会保障費の増加への打開策 ほか)
著者等紹介
野村晋[ノムラシン]
1980年大阪府豊中市生まれ。1999年愛光高等学校卒業。2003年大阪大学経済学部卒業、厚生労働省入省。老健局で介護報酬改定を担当。2010年千葉県柏市に出向、2012年厚生労働省に戻り2017年岡山市へ出向。2019年4月厚生労働省に戻り同年7月から医政局総務課(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
50
【高齢者も、一律のサービスを受けるのではなく、自らの価値観に合ったものを選択したい】介護報酬改定を担当し、地域包括ケアシステム構築の議論に携わった厚労省現役官僚が、現場で実践した行政手法を紹介する。地方自治体や医療・福祉関係者、市民が協働して次の一歩を踏み出すことを促す新書。2020年刊。<立ち止まって、日々の人々の暮らしからどんな社会が期待されるかを考えてみると、多様なライフスタイルを選択する(=どのような状況にあっても、自らが思う「より良い暮らし」を実現する)ことを可能にする社会なのではないか>と。⇒2024/10/20
まさこ
11
(著者が80年生まれということに驚く) 介護保険の問題点:・改善のインセンティブがない。・使い始めると悪化を受け入れることになる。・介護が必要な人を支える制度のため、サービスを利用するようになった途端、「支援対象者」と位置づけされ、地域との繋がりを無くし、生きがいを感じることが難しい状況に陥る。改善案:・状態改善にインセンティブ。・地域との繋がりを生みだす就労や作業のメニュー。・・AIケアプランをたたき台に。2021/07/16
kitten
10
図書館本。何年も前から言われている「地域包括ケアシステム」について書かれた本だけど、タイトルと内容がかなり食い違っている。著者は、地域包括ケアシステムについてかなり肯定的にとらえていて、さらに、それを深堀して地域と共に生きる、というところまで考察している。後半部分は、机上の空論にすぎないんじゃない、と思うところもあるけれども、やってみてできないことはない、こともあるかも知れない。10年以上前から在宅医療推進してるけど、突破口を作ってくれるヒーローのような医師の存在が必要だった。今もそうなの?2022/05/24
awe
8
図書館本。現在は豊中市副市長を務める厚労官僚が、自身の自治体出向経験をもとに今後のあるべき地域包括ケアシステムについて論じた一冊。千葉県柏市と岡山市での成功事例をベースに議論を進めているので非常に説得力ある提言となっている。勿論これは好事例中の好事例なので、すぐに全国横展開して問題解決、とはいかないだろうが。◆地域包括ケアシステムの基本的なあり方についてまず知らなかったので勉強になった。簡単に言えば、入院している病院から「退院調整」を経て在宅での介護や医療の利用者となる人々に対し医療、介護、看護、リハビリ2023/06/18
かめかめ
5
高齢者のみを対象とした地域包括ケアシステムではなく、全世代型の地域包括ケアシステムを目指す必要があるというのは納得できる。また「市民がどの窓口に相談しても、保健・医療・介護・福祉が連動したサービスを提供できる体制」を目指すべきというのもその通りと思う。ポイントは暮らしやすい街作りを行い、幸せに過ごすことができる社会を作ることができるかどうかである。無い物ねだりをするのではなく、有るもの・有ることに満足する心も必要に違いない。最近言われている「社会的処方」というのがこのことなのだろうか?2020/08/24
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