出版社内容情報
あらゆる前提を疑う哲学者が、巷に広がる自己分析なる行為をぶった斬り、自分を知るために本当に役立つ方法を講義する
内容説明
自己分析は、日本の多くの若者が実践するポピュラーな作業だが、字面は何とも意味深であり、その過程で誰もが苦悩する。就活で一旦、自分を知り志望は何か「暫定解」を出さなければならない。その攻略法を多彩な自己分析ツールを挙げて論じ、さらに人生そのものにおいて「本当の自分」に迫る術を、哲学者の足跡をもとに探る。複数の人物によるディベート形式だから共感するキャラが見つかるかも。探求を続ける老若男女のための手引き。
目次
第1章 就職活動における自己分析(就職セミナー;ガイドライン;スケジュール ほか)
第2章 人間関係における自己分析(学生相談室;自己分析ツール;敬語 ほか)
第3章 人生哲学における自己分析(哲学研究室;ソクラテス;プラトンの対話篇 ほか)
著者等紹介
高橋昌一郎[タカハシショウイチロウ]
國學院大學教授。専門は論理学・哲学。情報文化研究所所長、JAPAN SKEPTICS副会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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武井 康則
11
高橋昌一郎だから読み始めたが、第1章は大学生の就活が財官民でいかにブラックにしているか。学生だけでなく、大学教員の高橋はそれで消耗している。そしてそんな就活を自己分析というらしい。第2章は1章最後に出てきた自己分析ツール、マインド・マップ、自分史、モチベーショングラフ、SWOY分析、ジョハリの窓の説明。第3章で自分を考えたギリシャ哲学、デカルト、実存主義の簡単な要約。本書は大学生の就活についてで、哲学は関係ない。学生を使い捨ての部品扱いしている財官民。この国に未来はないと断言できる。2020/05/19
breguet4194q
8
自分のことを分析するのは難儀なことである主張はよくわかったが、書かれていることの大半は、論理の遊戯であり、残念ながら、得るものもあまりなく、読み物の域を越えなかった。2021/02/17
リットン
5
高校生のときに先生が「大学生になって自分探しの旅をしはじめる子がいるがナンセンスだ」みたいな話をしていて、その当時、???と思った覚えがあり、それからたまに意図を考えてしまう。この本の最後にもあるが、自己は揺らぐ存在であって確固とした自己なんてものは存在しないということだったのかなと最近は思う。新しい経験を重ね、自分の知らなかった自分自身の「揺らぎ」をみつけ自己を多面化しつつ、複雑で多様な自分自身を受け入れるようになることが自己分析なのかなと感じた。2020/05/27
Yappy!
4
本屋で迷ったけど「はじめに」で自己分析について尋ねられたら「今後は即答できるので楽になるはず、私の書いた『自己分析論』を読めばいいんだよ」とかなんとかで購入(笑)。自己分析について何故こんな学生がそんな哲学的な問いを・・・とか、対話形式で進むとか、自己分析論で就活云々って書いてあるけど、ちょいと哲学より。 登場する就活アドバイザーも胡散臭いけど、エッセンスつぎ込むとこうなるんだろうし情報は的確かな。就活シーン、5つの自己分析ツールの紹介、哲学から自己分析についての三部構成。ツール紹介が丁寧なのも良!2020/05/01
歩
3
後半、ひたすら哲学の説明。 人はいつだって変われるんだから、自己分析なんて言われてもねぇ、思うようになった。 理想自己・現実自己・義務自己の間で自己嫌悪・フラストレーションが起きるというのは参考になった。2022/02/13