光文社新書<br> 21世紀落語史―すべては志ん朝の死から始まった

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光文社新書
21世紀落語史―すべては志ん朝の死から始まった

  • 広瀬 和生【著】
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  • サイズ 新書判/ページ数 384p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334044558
  • NDC分類 779.13
  • Cコード C0276

内容説明

21世紀早々、落語界を大激震が襲う。当代随一の人気を誇る、古今亭志ん朝の早すぎる死だ(2001年10月)。志ん朝の死は、落語界の先行きに暗い影を落としたはずだった。しかし、落語界はそこから奇跡的に巻き返す。様々な人々の尽力により「落語ブーム」という言葉がたびたびメディアに躍るようになる。落語界が一丸となって「志ん朝の死」という悲劇を乗り越える中で「落語ブーム」が訪れ、それが今の活況に結びついている。いわば、「すべては志ん朝の死から始まった」のだ。本書は、「志ん朝の死」で幕を開けた21世紀の落語界の現在に至るまでの出来事を、落語ファンとして客席に足を運び続けた立場から振り返り、落語史の折り返し地点とも言える「激動の時代」の記録を後世に伝えるために書かれたものである。

目次

すべては志ん朝の死から始まった
21世紀の「談志全盛期」の始まり
小朝が動いた―2003年「六人の会」旗揚げ
昇太も動いた―2004年「SWA」旗揚げ
2005年の落語ブーム―立川談春・タイガー&ドラゴン
「旬の演者」を紹介するガイドブックがなぜない?―市馬・喜多八・文左衛門・立川流四天王
若手の大躍進―喬太郎・白酒・一之輔・こしら
談志が死んだ
圓楽党と「七代目圓生問題」
柳家小三治が小さんを継がなかった理由
「二ツ目ブーム」の源流―白酒(喜助)・三三
プチ落語ブーム―『昭和元禄落語心中』・シブラク・成金
その後の立川流
落語界の未来予想図

著者等紹介

広瀬和生[ヒロセカズオ]
1960年、埼玉県所沢市生まれ。東京大学工学部都市工学科卒。音楽誌「BURRN!」編集長。落語評論家。学生時代から寄席通いを続け、ほぼ毎日ナマの高座に接している。落語関係の著書多数。近年では落語会プロデュースも(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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akihiko810/アカウント移行中

29
音楽雑誌「BURRN!」編集長にして落語通の著者が語る、21世紀の落語。印象度A  01年、当代の名人である古今亭志ん朝が亡くなり、落語界は衰退するかと思いきや、時を同じくして立川談春、春風亭一之輔らの才能が花開き、落語界には思いも図らず「ブーム」が起きた。そして談志の死を経て、二ツ目ブームなど、落語そのものというより「面白い落語家」が再発見される時代となった。 自分は落語には詳しくないので、立川流論や、現代最前線の落語家など、かなり面白い内容であった。2023/08/17

yutaro sata

29
志ん朝師匠の死、それから談志師匠の死によって大きく動いてきた落語界を細かく丁寧に記している本。著者の積み重ねに頭が下がる。重要な人の死、それは端的に危機であり、また自由の始まりでもあるというこの不思議。2022/10/14

gtn

28
志ん朝の死により、「重し」が取れ、心ある噺家の責任感と自由な発想を促したことが、現在の落語ブームにつながったと説く。関西在住者としてはあまり実感はないが、おそらく著者のいうとおりなのだろう。巷間とやかく言われる談志と志ん朝の人間関係も、「でもまさか志ん朝が死ぬとは…」との談志の言葉に凝縮されているとも。正鵠を射ており、著者の弁の信用度を高めている。2021/06/08

ネギっ子gen

19
本書は、<「志ん朝の死>で幕が開けた21世紀の落語界の現在に至るまでの出来事を、落語ファンとして客席に足を運び続けた立場から振り返り、落語史の折り返し地点とも言える「激動の時代」の記録を後世に伝えるために書かれた>新書。BS朝日の新たな寄席番組。二人の噺家を招いて<同じ噺>を演じてもらうという、落語界の御法度をぶち破る、「御法度落語 おなじはなし寄席」が誕生したことを受け、読む。漫画『昭和元禄落語心中』に言及しているのも、嬉しかった。が、あれ、これまだレビューしてなかったか……。さて、表紙がこれって……⇒2021/01/21

YONDA

16
江戸の風の中で演じるのが落語。志ん朝の早すぎる死が、大きな不安や失望を産むと共に、重石が取れたことで新たな江戸の風が吹き、今の落語界を作ったのは間違いないようだ。この本を読んでから聞いた落語は一味も二味も違った。江戸の風を感じる落語家にもっと会いたい。そして、談志は天才奇才の両方を持っていたと思う読後。2022/10/13

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