出版社内容情報
ナチュラルクリーニングのプロが、日本人の完璧家事の傾向や、シンプルな暮らしの流行にまったをかけ、家事というものを相対化する
内容説明
多くの日本人が、丁寧な暮らしや、家事をきちんとこなすこと、配慮の行き届いた子育てをすることを理想としている。しかし他方では、日本人の「完璧家事」や「手づくり」礼賛の傾向、さらに昨今のシンプルな暮らし(「断捨離」「ミニマリズム」など)の流行は、母親への目に見えない圧力となると同時に、家族との分業を阻んだり、葛藤の原因ともなっている。日本の家事の「あたりまえ」は海外の人の目にはどう映るのか。なぜ日本では男性の家事参加が進まないのか。国や学校により「よい母、よい家庭」であるよう仕向けられてきた歴史とは。翻訳家として他国の友人も多く、家事や掃除術の専門家でもある著者が、多くの聞き取りや国際比較などを参照しながら、気楽で苦しくない家事とのつきあい方を提案する。
目次
第1部 完璧家事亡国論(日本の主婦は家事をしすぎ?;日本の家事の『当たり前』は、世界の非常識;経済成長という祭りの後で;キャリアを阻み、少子化を加速する完璧家事―2人目を産まない女性たち;家事のできない家族は滅びる)
第2部 「片付けすぎ」が家族を壊す(日本の家が片付かないのには理由がある;ミニマリストは変人?;捨てられない理由は、まっとうである―「もったいない」再考;断捨離の行き着くところ;目指すは「おばあちゃんの家」の居心地のよさ)
著者等紹介
佐光紀子[サコウノリコ]
1961年東京都生まれ。1984年国際基督教大学卒業。繊維メーカーや証券会社で翻訳や調査に携わったあと、フリーの翻訳者に。とある本の翻訳をきっかけに、重曹や酢などの自然素材を使った家事に目覚め、研究を始める。2002年、『キッチンの材料でおそうじするナチュラル・クリーニング』(ブロンズ新社)を出版。以降、掃除講座や著作活動を展開中。2016年上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科博士前期課程修了(修士号取得)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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