出版社内容情報
伊藤元重[イトウ モトシゲ]
内容説明
EU、中国、アメリカ。激震する世界の潮流をつかめ!大好評!東大名誉教授のセミナー形式の入門書第2弾。基礎から世界の最新動向まで、この一冊でざっくりわかる。
目次
ガイダンス 国際経済学で日本と世界をつかめ
第1講義 ざっくりわかるTPP
第2講義 「国際収支」と「為替レート」再入門
第3講義 通貨制度から見るEUの未来
第4講義 比較優位理論とグラビティ・モデル
第5講義 中国は“先進国”になれるか?
著者等紹介
伊藤元重[イトウモトシゲ]
東京大学名誉教授。学習院大学国際社会科学部教授。1951年静岡県生まれ。東京大学経済学部卒。’79年米国ロチェスター大学大学院経済学博士号(Ph.D)取得。’96年より東京大学大学院経済学研究科教授。2016年より現職。専門は国際経済学。復興推進委員会委員長、安倍政権の経済財政諮問会議議員、JR東日本旅客鉄道株式会社社外取締役も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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あすなろ
82
奇しくも今朝のニュースで、中国の外貨準備高の減少をやっている。3兆ドル割だと。これが示すことは何か?こうした答えを、社会人ゼミというスタイルで伊藤先生が講義した内容が綴られる。経済学は難しい側面あり。だが、この本は読み物として良かった。特に個人的には、中国経済についての講義や、我が国の物価の変化のなさが世界的には奇異であったり等、興味深かった。また、英国のEU離脱をベルリンの壁崩壊と同じインパクトで捉える等、見通す力が要であり、流石にその表現が上手いと感じた。2017/02/08
Francis
15
伊藤先生の本は初めて読んだが、とても面白く読めた。「比較優位理論とグラビティ・モデル」「中国は先進国になれるか」はいかにも国際経済学らしい内容。経済学は好きだけど、実は国際経済学の事はあまり良く分かっていなかったので、とても参考になった。この様な入門書だけでなくて国際経済学のテキストも読まないとダメだね。2016/12/19
おめな
5
仕事関連の書籍としてパラパラ読了。知られざる中国の戸籍で「農村戸籍」と「都市戸籍」が存在していて農村民は都市戸籍がないので都市での社会保障やサービスが受けられないということに軽く衝撃。EU圏在住としてやはり欧州が本当に一つの最適通貨圏になれるのか、これは絵に描いた餅になりつつある気がする。日本の人口減少社会では生産人口が減少し続ければ輸出が減ることは現実になりつつある。そして国際経済学の主な対象は、自国の経済、日本経済にあることを忘れずに。そして今いるEU経済についても日々注視していくことを忘れずに。2018/01/25
しゅー
3
★★★とても巧く整理されて見通しの良い入門書だ。有名な国際金融のトリレンマを使って戦後の国際的な通貨体制やアジア通貨危機、EU などを説明する手際がよく、北海道を例にした最適通貨圏の例えも分かりやすい。聞き慣れた概念ばかりだけど、初学者が腹落ちしやすい洞察を加えてくれるのが助かる。はっとさせられたのは「グラビティ▪モデルから考えると、日本の輸出はものすごい勢いで増えていくはずなのです」と言うくだりだ。その後に出てくる中国経済の分析と合わせると、我が国の今後の方向性の良い検討材料になるのではないかと思った。2020/07/29
クレストン
3
国際経済が専門の著者による国際経済をトピックスごとに概説する本。読みやすいテキストを書くことに定評がある方なので多少の興味があればスラスラ読めるだろう。また、基本から興味深いトピックスまでバランス良く網羅しているのでこの学問のイメージも湧きやすいと思われる。しかし、あくまでも読み物として書かれているのでちゃんと国際経済学を学ぶのであれば次のテキストは必要になる。経済学の一側面を良く知りたい方にオススメいたします。2020/02/21