内容説明
飛行機が落ちることを心配する人もいるが、実は車に乗って空港から自宅へ帰る間のほうが死ぬ確率は何倍も高い。このように、心配の度合いと、本当の確率がずれることで、あらぬ心配をし、本当に心配すべきことが疎かになる。心配すべきか、心配せざるべきか、それが心配だ。人生の正しい選択を求める人のための新しい学問―「心配学」の世界へようこそ!
目次
第1章 どうせいつかは死んじゃうのに、なぜ「心配」するのか?
第2章 セレブと自分を比べて凹まない、ひとつの方法
第3章 ゴキブリに殺された人はいないのに、なぜこわい?
第4章 もっとも悲観的な情報が安心されてくれる
第5章 実践!心配計算学講座
第6章 心配しすぎず、安心しすぎず生きるには
著者等紹介
島崎敢[シマザキカン]
1976年東京生まれ。心理学者。静岡県立大学国際関係学部卒業後、大型トラック運転手などを経て、早稲田大学大学院人間科学研究科博士課程単位取得満期退学。早稲田大学人間科学学術院助教を経て、現在、国立研究開発法人・防災科学技術研究所特別研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒデミン@もも
39
この本を読んでも心配はなくならない。よく言う飛行機事故で亡くなる確率は交通事故で亡くなる確率より低いとは、わかっていても車の運転はやめないし、飛行機に乗るとやっぱりドキドキする。しかし、インフルエンザで亡くなる確率がこんなに高いとは。でも予防接種の副作用は気になる。2016/03/12
ちさと
24
未来を漠然と心配する。多分「本当の確率」とはずれていると分かっているけど心配になる。適度に心配になりながら、本当の確率を見極める方法を教えてくれる本です。結局は発生確率100万分の1とか言われても、心配すべきなのか実感がわかないし、結果の重大性には主観が評価の基準になるので全く心配しないって難しい。逆にリスクを下げるために大切なものを壊すのも本末転倒。と言うことで、かなり心配だけど今のままでいっか。2018/09/17
中野(racoon)
20
★★★★☆ 我々は小学生か~!(笑)ってくらいわかりやすく、時には少々極端なたとえで「平均値」と「中央値」の違い、「リスク・コスト・ベネフィット」の連動について教えてくれる。馬鹿にしているわけではなくて、実に微笑ましい語り口で和んで読めました。「仮に平均身長を170だとするとビル・ゲイツの年収クラスの背の高い人の身長は2万4千キロメートル。これは地球の直径の約2倍の長さです。」のところで思わず(;゚;ж;゚; )ブフォッ 何を真顔でそんなことを(笑)広く浅く系です。テロに関する記述はちょびっとしかない。2016/03/21
カッパ
15
主観の中で心配というのは生まれているのではないかと思った。知り合いから言われたことはなんだか気になる。テレビで騒がれていることはやたら気になるということだったりする。心配しすぎずに安心しすぎに生きることとあるが本当にそれが望ましいと思った。個人的にはアルコールは授乳中のほうが妊娠中の50分の1しかアルコールが赤ちゃんに行かないとしりへーっとなりました。2019/02/24
navyblue
15
著者によれば、「心配」本質とは、不幸な出来事が起きるのか起きないのか分からない状態だそうだ。リスクを定量的な数字にすることで客観的に物事を見ることができ、心配の感覚を弱めることができるという。その際、リスクの計算にはできるだけ正確な情報(数値)を得なければならないので、世の中に溢れる情報から「たしかであろうもの」を見分ける目を養うことについても丁寧に説明している。 後半部分は、具体的なリスク計算の例があり、さらに面白く読める。ここまで客観的になれれば、何となく心配、という気持ちが激減するかもしれない。2018/08/01