内容説明
歯原性菌血症という言葉をご存知だろうか。菌血症とは、細菌が血中に入り込み、全身の血管を巡るものをいう。通常は血管の中に細菌は入らないが、身体の中でただ1カ所、日常的に細菌が血管に容易に入ることのできる場所がある。それは歯の根元にできた虫歯や歯周病である。この歯原性菌血症は、気づかぬ間に全身の血管でじわじわと炎症を進行させ、血管を劣化させて心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化、がん、認知症、リウマチなど、種々の慢性病の原因となることが最新のDNA解析技術でわかってきた。原因は子ども特有の歯の表面の虫歯(砂糖が原因)だけでなく、大人特有の歯の根元にできる虫歯(主食が原因)や歯肉炎である。ほぼ全ての生活習慣病に関わるこの歯原性菌血症を防ぐためには、主食を重視する栄養学の常識を根本から見直すことが必要。古代からの人類の歯や骨の変化や、統計、最新の研究データを基に、医科と歯科の連携、最新の口腔ケアの重要性を説く。
目次
第1章 口内の糖質と細菌が、血管を滅ぼす(口の中や血管内で増殖する悪玉菌;物理的に砕くしかないバイオフィルム ほか)
第2章 口内の細菌が全身で起こす慢性炎症(炎症とはなにか?;急性炎症と慢性炎症 ほか)
第3章 人類は主食によって歯を失った―口内の細菌と人体の歴史(三大栄養素のうち、炭水化物だけが虫歯の原因;エナメル質の虫歯は砂糖が原因、象牙質の虫歯は米が原因 ほか)
第4章 炎症を起こさないための食事とは(糖製食品のメリットとデメリット;日本人の主食の概念を変える ほか)
第5章 新・口腔ケア入門(お釈迦様の時代からの習慣;「歯には4面ある」ことを忘れずにケアする ほか)
著者等紹介
花田信弘[ハナダノブヒロ]
1953年福岡県生まれ。福岡県立九州歯科大学歯学部卒業、同大学院修了。米国ノースウェスタン大学博士研究員、九州歯科大学講師、岩手医科大学助教授、国立感染症研究所部長、九州大学教授(厚生労働省併任)、国立保健医療科学院部長を経て、2008年より鶴見大学教授。この間、健康日本21計画策定委員、新健康フロンティア戦略賢人会議専門委員、内閣府消費者委員会委員、日本歯科医学会学術研究委員会委員長を務める。現在、日本歯科大学、明海大学、東京理科大学の客員教授、長崎大学、新潟大学、東京医科歯科大学の非常勤講師、NEDO評価委員を併任している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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