内容説明
儲けの構造が読めると、経営がわかる。経営がわかると、日本がとるべき戦略がわかる。それがすべて表れているのが財務諸表である。項目はざっくりまとめて、わからない言葉はとりあえず無視。バランスシート(BS)と損益計算書(PL)の大きさ、利益の3つだけを見ればいい。「ちょうどいい加減にとらえる」ことが、会計リテラシーのカギである。一番の近道は、知っている会社の財務諸表を読むことだ。図で見れば、業界をリードする企業の戦略の差が一目でわかる。リアルな財務諸表をざっくり、たくさん読むということに、本書でチャレンジしてほしい。
目次
はじめに 会計がわからんで経営がわかるか!
第1章 エレクトロニクス・IT業界編
第2章 自動車業界編
第3章 小売業界編
第4章 製薬業界編
第5章 住宅・インフラ業界編
著者等紹介
山根節[ヤマネタカシ]
1973年、早稲田大学政治経済学部卒業。’74年、監査法人サンワ事務所(現トーマツ)入社。’82年、慶應義塾大学大学院経営管理研究科修士課程修了後、コンサルティング会社を設立。2001年から慶應義塾大学大学院経営管理研究科教授(現名誉教授)。2014年から早稲田大学大学院教授(ビジネススクール)。商学博士。専門は、会計管理、経営戦略、マネジメント・コントロール(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
91
読むというよりは長期にわたってぼちぼちと眺めていた本。会計の理論を学ぶよりは、実際の企業のBSとPLを実践的に見てみようという本。同業他社を比較して金額に応じたスケールで比較してあるので、イメージが掴み易い。トヨタは「メーカー」だと思っていたが、実際は「金融資産」がかなりの割合を占めているというのは言われてみれば納得だが、目から鱗。そういう見方をしたことがなかった。2015年に書かれた本で、シャープと東芝とタカタは大丈夫か?とあるが、結果は皆さんご存知の通り。財務諸表の数字は正直ですね。★★★+2017/12/17
青色夜ふかし
28
山根 節★早稲田大学ビジネススクール教授。元スタンフォード大学客員研究員。公認会計士。学者。現在67歳。★財務諸表の見方を学び、企業活動の本質を会計から読み解くコツを書した本。★結局経営の本質は、「いくら投資すれば、いくら売れて、いくら儲かったのか」。これに尽きる。★BS(貸借対照表)は入口・出口、PL(損益計算書)は途中経過★ビジネスの循環の基本=BSとPLの繰り返し★BSとPLから読み取れるもの①儲けの構造②戦略③戦略の動き、時系列⑩業界・業態でお金のかかるところが違う2018/03/11
kawa
22
企業分析は、定量分析(財務諸表数値の分析)と定性分析(企業戦略や業界動向等)の両面から行う必要がある。私見ではその比率は3:7位か。本書は儲かる会社の財務諸表(定量分析)と言いつつ、その肝の9割方は、定性分析で導かれる。確かに「会計がわからんで経営がわかるか!」なのだが「会計がわかっただけでは経営はわからない!」。多くの財務諸表分析でのスキルアップは重要なのだが、分析企業の定性要因を常に意識して分析する視点が不可欠だ。そのためには、自社や身近な企業の財務諸表を継続的に定点分析していくのが良いのだろう。2018/01/01
ふ~@豆板醤
22
3。積読整理(kindle)。実在の企業の経営状況の裏を帳簿と照らし合わせての他社・業界内比較が次々と。こういう分析昔よくやったなーと懐かしい(笑)2017/12/17
超運河 良
13
会社は利益を上げていくことが大事。財務の部分は多額の負債がないか、株主資本利益率が高いか、最も大事なのは現状を維持するために、内部留保利益の大きな割合を再投資する必要がないか、潤沢な内部留保利益を新規事業や自社株買戻しに自由に使えるか、インフレや増税率に対し高水準で容易に価格に転嫁できるかを見るとビジネスの強みが見える!経営の手腕を見るのは内部留保利益の再投資による利益が、株価上昇につながっているかという部分に着目すると有報に書かれている経営者が有言実行しているのか誠実に成果を見せてるのかがわかる! 2015/11/05