目次
第1話 人は、誰もが「多重人格」(「多重人格」の講演スタイル;自然に切り替わる「講演人格」 ほか)
第2話 「表の人格」が妨げる才能の開花(「深層意識」が萎縮される能力;「自己限定」が抑えてしまう才能 ほか)
第3話 「隠れた人格と才能」を開花させる技法(自分でも気がついていない「自分の姿」;「人格の切り替え」が仕事をやりやすくする ほか)
第4話 「豊かな人間像と人間性」を開花させる技法(「貧しい人間像」がもたらすもの;「教養」という言葉の真の意味 ほか)
著者等紹介
田坂広志[タサカヒロシ]
1951年生まれ。’74年東京大学卒業。’81年同大学院修了。工学博士(原子力工学)。’87年米国シンクタンク・バテル記念研究所客員研究員。’90年日本総合研究所の設立に参画。取締役等を歴任。2000年多摩大学大学院の教授に就任。同年シンクタンク・ソフィアバンクを設立。代表に就任。’03年社会起業家フォーラムを設立。代表に就任。’08年世界経済フォーラム(ダボス会議)Global Agenda Councilのメンバーに就任。’10年世界賢人会議ブダペスト・クラブの日本代表に就任。’11年東日本大震災に伴い内閣官房参与に就任。’13年「スーパージェネラリストの7つの知性」を学ぶ場「田坂塾」を開塾(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
5 よういち
109
人は皆、深層心理の部分まで含めると複数の人格をもつ『多重人格』である。それを自覚しているかしていないか。才能の本質は人格であるから、自分の知らない人格を認知し、育てることで、新しい才能が芽生えると説く◆氏の著書はこれで5冊目だが、これまではマジメで現実的な話しが多かった。もちろんこの本もマジメに書かれているのだが、これまでとは切り口が随分違う気がする。現実的に夢を叶えていく方法なのかもしれない。まずは疑わずに取り組んでみるのも良いだろう◆人格は変えず、新しい人格を育て、使い分ける。/自分の心に静観者を作る2019/07/28
あちゃくん
93
平野啓一郎さんの「私とは何か」に思想的に近いなと思いました。ただ、平野さんのが生きづらさをどう回避するかに焦点があたっていたのに対し、こちらのほうがよりポジティブな側面に光を当てているなと感じました。2015/12/10
読書ニスタ
49
明るくて話しが好き、真面目でコツコツといった生まれつきの性格のようなものから、研究者、営業、マネージメント、経営者などの職業、あるいはダビンチのようなトップクラスのマルチな才能まで、人の可能性には、多面的な(あえて無限の、とは言わない)広がりがあることを説いた一冊。誰だって職場のロール(役割)があり、社会や家庭でのロールもある。 悪人を演じる時はその善人性を、善人はその悪人性を演じる。自分を見つめる静かな観察者をおく、など、名言いただきました。田坂さんの本は初めてでしたが、ちょっと亜流かなと思います。2019/03/28
きいち
38
経営の先生からの「自己の多元化」肯定論。社会学や物語論、心理学文脈で考えてきたけれど、そうか、この文脈もアリなのか。ここでの多重人格という言葉は「多キャラ」に近いけれど、苦手なキャラも演じていくことで新たな自己を育てるという考え方はなるほどと思う。多元化に罪悪感を感じてしまう自責志向の人も多いけれど、この克己的な感じだったらきっと受け入れやすいのではないだろうか。◇才能はまた別じゃないの?と思うけれど、でも、苦手だからと近づかないのとトレーニングのつもりでやるのとでは、しばらくしたら大きな違いがでるよね。2017/06/14
hk
25
自分の中にある嫌な性格を変えようとする人々は後を絶たない。だが往々にしてそれは頓挫する。本書では「性格とは変えるものではなく育てるものだ。だから嫌いな性格を残しながら、まだ芽生えていない新たな性格を開花させるように努力するべきである。また自分のなかの嫌いな性格は、同じ性格を持つ他者の気持ちを推し量る際に必要となるので抑圧するべきでない」というニュアンスで解説を加える。そして多様な性格を熟成させることで、相手の気持ちを察することが可能になる。即ちそれは共感力(相手の姿を自分の姿のように感じる力)の強化だ。2018/05/26