内容説明
『就活のバカヤロー』から6年、シューカツをめぐる状況は変わったのか?ブラック恐怖症の学生、バカ学生に頭を抱える企業、就職率の数字に一喜一憂する大学関係者、ニート・フリーターだけにはなってくれるなよと願う親―四者四様の思惑が空回りしながらも、毎年熱狂的に繰り返される、運と縁をめぐる一大イベント。とうとう時の首相までが登場し、経団連に「就活後ろ倒し」を要請するまでに。―長年、就活の取材を続けてきた著者が、学生、企業、大学のホンネに迫りつつ、その最前線の取り組みを紹介する就活ルポの決定版!
目次
1章 就活にあたふたする学生
2章 反就職学講座―イケてない学生でも、就活前に
3章 就活後ろ倒しでどうなる?―就活協定のトホホな歴史
4章 なでしこ学生は日本企業を変えるのか?―女子学生就活事情
5章 グローバル人材と就職予備校の間で揺れる大学
6章 学生にこそ、バカヤローと言いたい―企業側の言い分
7章 岐路に立つ就職情報ビジネス
著者等紹介
石渡嶺司[イシワタリレイジ]
ライター・大学ジャーナリスト。1975年札幌市生まれ。北嶺高校を経て東洋大学社会学部社会科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる坊
17
就活生のタイプ分けが面白かった。2015/04/06
Nobuko Hashimoto
17
石渡氏の著書はタイトルや文体がおふざけっぽいが、スタンスや主張は実はまっとう。就活や社会人生活では決まった「答え」があるわけではなく、自分なりの「答え」を探し、なければ自分で作ることも要求される。だから、守りたい価値観(キャリアアンカー)を追求することも大事だが、仕事をする上での適応能力(キャリアアダプタビリティ)も必要で、予期せぬ事態にも柔軟に対応できるよう準備すること(プランドハプンスタンス理論に基づく行動)、具体的には本や新聞を読む、社会人と話すことだ、というあたり、頷ける。2014/09/26
mitsu
10
まず思ったのは、就活っていうのはこの何十年ずっとあるんだなということ(当たり前だけど)。就職倫理憲章にはなんの拘束力もないから、歴史は就活後ろ倒しとフライングの繰り返しという話が印象的でした。でも学生にはどうすることもできないから翻弄されるしかないわけで、、。あとリクナビなどの就活情報サイトも結局は商売ということ。いろんなことをどの程度信じていいかは正直わからないけど、これから就活をはじめる身としては、実際にいろんな企業をみて、感じた印象を大事にしたいなと思いました。2014/11/16
かやん
9
就活のバカヤローからまた、進化して内容も充実。少しギャグが入るところが読みやすい。各章ごとのまとめがざっくり読みたい人にも親切。就職活動後ろ倒しは公務員、教員を目指す人には不利になり、グローバル人材を優遇するためなのかと思うほど留学経験者は一気に有利になるらしい。などなど本音建前入り乱れて読み物としてとても面白い。当の就活生はどう受けとるのかわからないけれど。2014/04/09
空崎紅茶美術館
8
読みやすく、面白い就活ルポ本と訊かれたら、この著者の本をおすすめします。前作はタイトルにも「バカヤロー」と叫んでいるだけあって、就活システムの不気味さを感情的にこき下ろした感じがしましたが(著者いわく就活ルポ本の草分け的存在でもあったそうで)、今作はネタの都合か、割とおとなしい印象。言ってしまえば、二匹目の泥鰌を狙った感が否めない。学生の生態分類表と欄外情報は、話のネタとして価値あり。他にも、就活後ろ倒しを信じると馬鹿をみる可能性があるという警告には、はっとさせられました。2014/02/04
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