光文社新書<br> 飛ばし―日本企業と外資系金融の共謀

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光文社新書
飛ばし―日本企業と外資系金融の共謀

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  • サイズ 新書判/ページ数 356p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334037239
  • NDC分類 338.15
  • Cコード C0233

内容説明

会計基準の穴を突き、金融工学を駆使する損失隠しの手法とは?共同通信社、テレビ朝日でスクープを連発してきた著者による、金融犯罪事件簿。問題を先送りしたい日本企業の経営者の体質と、それを食い物にしてきた外資系金融の実態を暴く。

目次

第1章 損失補填(毎日新聞の“衝撃”のスクープ;ダミー会社に損失移し替え ほか)
第2章 山一証券の「飛ばし」(破綻の2年半前にはすでに“抜け殻”;「飛ばし」 ほか)
第3章 ヤクルト本社巨額損失事件(“財テクの神様”;熊谷がのめり込んだデリバティブ取引の仕組み ほか)
第4章 含み損飛ばしスキーム(外資が売り込んだ「含み損飛ばし」のスキーム;会計制度の抜け穴を利用 ほか)
第5章 オリンパス粉飾決算事件(バブル期の財テク失敗で窮地に;外資系証券の野村OB ほか)

著者等紹介

田中周紀[タナカチカキ]
フリージャーナリスト。1961年島根県生まれ。上智大学文学部史学科を卒業後、’85年に共同通信社に入社。バブル全盛期の’87年から’91年まで、本社金融証券部で銀行・証券・保険業界を担当。大阪支社経済部と社会部を経て、’95年から’97年まで本社社会部で国税当局と証券取引等監視委員会(SESC)を担当。’98年から’99年までは本社社会部遊軍で経済事件を中心に取材し、数々の特ダネをものにする。2000年にテレビ朝日に転職。その後フリーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Humbaba

6
問題を表面化することは,自分と自分を推薦してくれた人間を傷つけることになる.それを避けるために,問題をひた隠しにする.その行為はある意味で人間的かも知れないが,問題を先送りしていても根本的な解決をしない限り被害はどんどん拡大していく.2013/05/13

壱萬参仟縁

4
株価↑とのことだが、オリンパス粉飾決算の記憶はそう遠くない(13頁)。金融業特有のことば(にぎりとか)は特有に映る。金融監督庁の抜き打ち検査(234頁~)。予告なしで素性がバレるというのは、時には必要な制裁手段と思える。記者であったがTVの世界でも、出版でも通用する著者の多才な力量により、いろいろな事件の流れ図化と解説で原因が解明されていく。庶民の金銭感覚とはけた違いの金額が書かれているので、別世界であることは確か。海外ではTobashi(351頁)で通用するとのこと。不名誉な日本語。事無かれから脱出を。2013/05/07

リョウ

2
バブル時代の過剰な「財テク」とその損失計上を隠すことから端を発した「飛ばし」について、山一、ヤクルト、オリンパスの3社を中心に、当時最前線で追いかける記者だった筆者の立場から論じている。採用された飛ばしの仕組みについて解説されていたが、特に20年近くも隠し通したオリンパスのものに至っては複雑すぎてよく分からなかった。それにしても、単なる問題先送りだけでなくどんどん損失が拡大する中、それでも隠蔽を続けようという根性には恐れ入る。2013/11/10

OjohmbonX

2
株価は再び上がるはずだ、といった楽観論で問題を先送りにしたことが本書でも批判されるけど、むしろ本書を読むと楽観論は認識の甘さから生まれるわけではなさそうな気がしてくる。ある制約の中で、もはや取り得る選択肢が少なくなると、その残された選択を成立させる諸条件を信じざるを得なくなることで楽観論は生まれるみたいな。飛ばしに関わった証券会社や顧客の会社、監督官庁などの組織で人々が具体的に取った行動を細やかに見せてくれるから、原因を悪意や自己保身に単純化せずに読めるよ。それにしても女性が一人も出てこないのはすごいな。2013/09/06

プラス3

2
バブル崩壊に端を発する日本企業の損失隠し“飛ばし”について書かれてます。インタビューのやり取りなども交えて時系列で書かれてるので経済小説を読んでるような感覚。光文社新書とは思えないほどのゴツイ内容だった。“飛ばし”のスキームは一読しただけじゃ図を見てもわからんw。まあ日本企業と外資系銀行が創意工夫を重ねたものだから、すぐ理解できなくても仕方ない。うん、そういうことにしておこう。しかし英語圏でも“Tobashi”で通じるとは・・・。2013/01/20

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