光文社新書<br> 官邸から見た原発事故の真実―これから始まる真の危機

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光文社新書
官邸から見た原発事故の真実―これから始まる真の危機

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  • サイズ 新書判/ページ数 261p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334036614
  • NDC分類 543.5
  • Cコード C0236

内容説明

福島原発事故は、本当は、どこまで深刻な事態に陥っていたのか?「冷温停止状態」の年内達成で、一段落なのか?「汚染水処理」の順調な進捗で、問題解決なのか?「原子力の安全性」とは、技術の問題なのか?SPEEDIの活用、環境モニタリングの実施は、なぜ遅れたのか?なぜ、浜岡原発の停止要請をしなくてはならなかったのか?なぜ、玄海原発の再稼働を安易に認めるべきではないのか?―原子力の専門家であり、内閣官房参与として原発事故対策に取り組んだ著者が語る、緊急事態で直面した現実と極限状況での判断。緊急出版。

目次

第1部 官邸から見た原発事故の真実(福島原発事故が開いた「パンドラの箱」;原発事故、現在の「最大のリスク」は何か;「首都圏三千万人の避難」という最悪シナリオ ほか)
第2部 政府が答えるべき「国民の七つの疑問」(原子力発電所の安全性への疑問;使用済み燃料の長期保管への疑問;放射性廃棄物の最終処分への疑問 ほか)
第3部 新たなエネルギー社会と参加型民主主義(「脱原発依存」のビジョンと政策;「政策」ではなく「現実」となる脱原発依存;TMI事故が止めた新増設 ほか)

著者等紹介

田坂広志[タサカヒロシ]
1951年生まれ。’74年東京大学工学部原子力工学科卒業、同大医学部放射線健康管理学教室研究生。’81年東京大学大学院工学系研究科原子力工学専門課程修了。工学博士(核燃料サイクルの環境安全研究)。同年民間企業入社。原子力事業部にて、青森県六ヶ所村核燃料サイクル施設安全審査プロジェクトに参画。米国パシフィックノースウェスト国立研究所にて、高レベル放射性廃棄物最終処分プロジェクトに参画。原子力委員会専門部会委員も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

51
民主政権にしても自公政権にしても、国民の不信感を払しょくするどころか、ますます増してしまったという現実がある。人は、見たいものしか見ない動物なのだとつくづく思う。2015/11/19

うりぼう

46
北村先生、推薦の本。原発の専門家として日本の原発に関わってきた著者が、福島原発事故への対応のために内閣官房参与として、全てを投げ打って官邸に入った5ヶ月。この事故で開いた「パンドラの箱」は、これからが危機だと再認識する。内山節の事故分析に共通し、見えない社会心理的リスク、政府への信用の失墜が、最も大きな負の遺産。「目に見えないもの」の価値に鈍感な社会。地域のコミュニティの豊かさの喪失が、社会的コストの増大を招くのと同じ。技術的安全の問題以上の課題であり、淡々と語る7つの疑問は、怪談話のように身を凍らせる。2012/01/30

烟々羅

18
端的にまとめると「技術者として原子力に関わって技術のベストは尽くしてきた、尽くせるけど。東日本大震災の少しまえから政府の内側に入ってみたら、人間・社会のシステムのほうが核分裂の技術をきちんと管理できるほど理想的にはできとらん。けしからん」てことね。 原子力発電の専門家は、原子力以外の発電にも同じく危険があり管理しきれていない弊害があり、放っておけばエライことになるってことも意識の外。単に社会システムをきちんと改善できなかったとの反省を放棄して、責任転嫁して拗ねてるだけじゃないか。 貴君は当事者だろう2013/10/13

Gotoran

13
長文;田坂氏の原子力エネルギ政策への強い思いに共感する者の一人として本書を読む。原子力の専門家として菅内閣官房参与の立場で福島原発事故対策に取組み、事故直後の深刻な状況を体験した著者が、人間として思ったこと。原発事故の現実、原子力行政の問題、原子力政策の矛盾を、政府が答えるべき「国民の7つの疑問」として、真摯に冷静に語ってくれている。その中で、経済優先主義からくる政界・財界・官界の「根拠のない楽観主義」(冷温停止に伴う安易な他原発の再稼働検討)を戒める。放射性廃棄物の安全な最終処分方法が確立されなけれ↓2012/03/04

安国寺@灯れ松明の火

10
先日受講した「カイゼン」のセミナーの中で、「なぜこんなことが起きているのか」よりも、「実際に何が起きているのか」に焦点を当てた方が有効な対策を打ちやすい、という話を聞きました。言われてみれば当たり前なのですが、いかにその視点が抜けがちなのかを痛感しました。本書で挙げられている原子力政策の問題点も同じだと思います。使用済燃料だけに限っても、長期保管、再処理、最終処分という厄介な問題を抱えているという事実に、きちんと向き合わなければならないということがよくわかります。(続く)2012/02/26

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