光文社新書<br> 平成幸福論ノート―変容する社会と「安定志向の罠」

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光文社新書
平成幸福論ノート―変容する社会と「安定志向の罠」

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  • サイズ 新書判/ページ数 230p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334036119
  • NDC分類 304
  • Cコード C0236

内容説明

近年、日本を含め世界各国では幸福感の見直しが進められている。国内では内閣府が新成長戦略の一環として「幸福度に関する研究会」を発足させた。また、海外ではGNH(国民総幸福度)をはじめとした経済指標に代わる幸福度策定への関心が高まりを見せている。反面、日本では格差や貧困などに起因する「不幸」をめぐる議論も盛んになってきている。だが、「孤独死」に代表される孤立化への不安と、国際社会における日本の存在感低下への懸念が奇妙な相似形を描いているように見えるのはなぜか―。ミクロとマクロの観点から、現在の日本社会が抱える問題点を整理し、来る時代の「幸福のあり方」を探る。

目次

第1章 日本の「幸福論」の迷走(「箱庭王国日本」の繁栄と崩壊;曖昧にされた「領土」と「国民」「主権」 ほか)
第2章 結婚と孤独死の間に(孤立はなぜ問題か;「家族」の困難 ほか)
第3章 「会社村」と「草食男子」の間に(日本に低成長耐性はつくのか;「草食男子」現象が意味するもの ほか)
第4章 「安定志向」がリスクに転じるとき(リスクをとれない日本の若者;八〇年代以降に「子どものいる世帯」は保守化した? ほか)
第5章 「昭和の鎮魂」から「つながりの再編」へ(「新しい公共」の困難が露呈したもの;ガラパゴス化は「孤立化」なのか ほか)

著者等紹介

田中理恵子[タナカリエコ]
1970年神奈川県生まれ。詩人・社会学者。主な筆名は水無田気流。早稲田大学大学院博士後期課程単位取得満期退学。現在、東京工業大学世界文明センター・フェロー(非常勤講師兼研究員)、桐蔭横浜大学スポーツ健康政策学部非常勤講師。2003年、第41回現代詩手帖賞受賞。2006年、『音速平和』(思潮社)で第11回中原中也賞受賞。2008年、『Z境(ぜっきょう)』(思潮社)で第49回晩翠賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アイス1億円

6
自分なりの幸福論を作っていった方がいい。判で押したような幸福なんて願い下げだと思っています。2015/03/29

t-1484

4
女性目線で書かれた新しい幸福論というよりは、現在多くの人が追い求めている幸福の非現実性と、その難しさについて指摘した1冊といった印象。おそらく今呼んでいる古市氏の本と対比して読むと、社会科学的にみれば絶望しか見えてこない現代の人々と、その一方で幸福を見つけて頑張ろうとしている希望という対比が読み解けてくるのではないかと思う。2011/10/08

s_n

2
アメリカのセカンド・ブランドから社会問題先進大国に化した日本に「昭和の鎮魂」と「つながりの再編」を説く。世代間格差、少子高齢化、孤独死などなど不安な話が山盛りです。安易な処方箋や回答を提示しない姿勢は◎。まずは旧態依然な昭和からの脱却を、ということなんでしょうな。2013/06/14

ひろき

2
新しい幸福を求めて 幸福についてのハウツーがメディアに取り上げられる昨今は、同時に不幸についても論じられている。背景には日本が抱える不安がある。旧時代の幸福感には戻れなくなった今、時代は新たな幸福感を求めている。その一つの答えがここにある。参考文献に多さに驚愕した。しかし、新しい幸福について斬新な意見でなかったのがやや残念。2011/10/05

bittersweet symphony

1
著者は1970年生まれの社会学者、詩人としての水無田気流名義のほうがよく知られているようです。本書は2011年3月に発売されたもので、著者がEテレ「ニッポンのジレンマ」のパネラーのひとりだったので読んでみることに。基本的には高度経済成長期の社会システムの制度疲労が極限まで進んでいることに対するいろんなひずみが出ていることの確認ということになります。2012/01/11

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