内容説明
日本経済にとって、外国人労働者は都合の良い存在であり続けた。企業の繁栄を支え、あるいは不況企業の延命に力を貸してきた。しかし日本は、その外国人を社会の一員として明確に認識したことがあっただろうか。第一部では、「奴隷労働」とも揶揄されることも多い、「外国人研修・技能実習制度」を使って日本に渡ってきた中国人の過酷な労働状況を概観する。第二部では、かつて移民としてブラジルへ渡った日本人の主に子どもや孫たちが、日本で「デカセギ労働者」として味わう生活と苦労、闘う姿を追う。こうした中国人研修生・実習生と日系ブラジル人を中心に、彼ら・彼女らの心の痛みを描きながら、日本社会をも鋭く映す、渾身のルポルタージュ。
目次
第1部 中国人が支える、日本の底辺重労働(北京政府公認の「最優秀校」;「日中のビジネス」が生んだ悲劇;研修制度とは何か;強制帰国;私たちは人間扱いされていないんです;二十一世紀の人身売買;目に見えないラベル)
第2部 日系ブラジル人、移民たちの闘い(デカセギと移民の血;繁栄を支える;「例外的に自由に働ける外国人労働者」;共生への実験;行き場を失う人々;泣き寝入りはしない;サンパウロ―「日本」が息づく街;トメアス―日本から最も離れた場所で)
著者等紹介
安田浩一[ヤスダコウイチ]
ジャーナリスト。1964年静岡県生まれ。週刊誌、月刊誌記者などを経て2001年よりフリーに。事件、労働問題などを中心に取材・執筆活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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