光文社新書
ルポ 差別と貧困の外国人労働者

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  • サイズ 新書判/ページ数 314p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334035686
  • NDC分類 366.8
  • Cコード C0234

内容説明

日本経済にとって、外国人労働者は都合の良い存在であり続けた。企業の繁栄を支え、あるいは不況企業の延命に力を貸してきた。しかし日本は、その外国人を社会の一員として明確に認識したことがあっただろうか。第一部では、「奴隷労働」とも揶揄されることも多い、「外国人研修・技能実習制度」を使って日本に渡ってきた中国人の過酷な労働状況を概観する。第二部では、かつて移民としてブラジルへ渡った日本人の主に子どもや孫たちが、日本で「デカセギ労働者」として味わう生活と苦労、闘う姿を追う。こうした中国人研修生・実習生と日系ブラジル人を中心に、彼ら・彼女らの心の痛みを描きながら、日本社会をも鋭く映す、渾身のルポルタージュ。

目次

第1部 中国人が支える、日本の底辺重労働(北京政府公認の「最優秀校」;「日中のビジネス」が生んだ悲劇;研修制度とは何か;強制帰国;私たちは人間扱いされていないんです;二十一世紀の人身売買;目に見えないラベル)
第2部 日系ブラジル人、移民たちの闘い(デカセギと移民の血;繁栄を支える;「例外的に自由に働ける外国人労働者」;共生への実験;行き場を失う人々;泣き寝入りはしない;サンパウロ―「日本」が息づく街;トメアス―日本から最も離れた場所で)

著者等紹介

安田浩一[ヤスダコウイチ]
ジャーナリスト。1964年静岡県生まれ。週刊誌、月刊誌記者などを経て2001年よりフリーに。事件、労働問題などを中心に取材・執筆活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

香菜子(かなこ・Kanako)

32
ルポ 差別と貧困の外国人労働者。安田浩一先生の著書。日本の重労働は外国人労働者が支えている面が大きい。そんな外国人労働者を差別したり、外国人労働者が貧困に苦しむような社会は絶対に間違っていると思います。日本社会を支えている外国人労働者に対する敬意と尊敬の念を形にして示すような社会であってほしい。2018/12/13

リキヨシオ

27
「おもてなし」や「爆買い」など外国人観光客が増加する一方で日本経済にとって欠かせない外国人労働者は過酷な労働環境で使い捨られる。一部の日本企業に都合よく消費される外国人労働者を取り上げたルポ。第1部では「外国人研修・技能実習制度」で中国から研修生・実習生として日本に渡った若者が直面した「低賃金、通帳印鑑没収、人格否定、パワハラ、強制帰国」といった奴隷労働の現実。第二部は日系ブラジル人が「ガイジン」「デカセギ」労働者の貧困生活を描く。外国人観光客に優しい一方で外国人労働者への扱いなど負の一面は報道されない。2015/11/25

ののまる

14
農業分野で外国人労働者を受け入れる方針を昨日政府が出したけれど、賃金や待遇を日本人同等に(というより人として平等に)ちゃんとして欲しい。日本と経済格差がある国だからといって残業代300円とか、暴力とか、借金漬けにしてパスポート取り上げるなど、悪質な仲介業者や、制度自体を理解していない雇い主がたくさんいるし、それを監視する政府機関さえ天下りで甘い汁を吸っている。彼らが奴隷労働の現場から逃亡して不法滞在の道を進み犯罪に走るのも理由がある。2016/10/13

12
☆☆☆☆☆「わたしたちは人間扱いされていないんです」こう訴えるのは中国人の研修生・技能実習生たちだ。仲介会社に数十万を払い渡日。月給6万、残業代時給300円の職場で昼夜問わず働かされ、異動願いや賃金交渉をすれば強制帰国させられる。職場や生活環境の酷さ、日本で人身売買まがいのことが行われていることにショックを受けた。10年前の内容なので改善していることを願うばかり。また、08年のリーマンショックで、それまで日系人の単純労働者を多く抱えてきた企業が彼らを大量解雇した。真っ先に切られたのが日系ブラジル人だった。2019/06/10

tellme0112

10
偽装請負、共通する課題も多いな。と思った。人手不足を理由にした実習生拡大はやはりおかしい。これ見るとポルトガル語をやりたくなる。明るくまとまってるのは、多分構成の問題。本当はすごい闇が深まる問題なのだろうな。2018/10/27

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