内容説明
60年代、絶大な人気を集めて世界を席巻したビートルズと、プロテストソングの歌い手として若者の支持を集めたボブ・ディラン。前者はロック、後者はフォークと、一見相いれないジャンルを代表するアーティストとして解釈されがちだが、実は互いに影響を与え合っていた。ディランとの出会い以降、ビートルズは、歌詞の思想性が強くなり、LSDの力も借りて数々の傑作を生みだす。一方のディランは、エレキギターを握り、ロックへと転向。ときに両者は反目したが、ビートルズ解散後、なかでもジョージ・ハリスンはディランとの親交を深め、共に新しいバンドを結成する。本書では、知られざる両者の関係性を様々なエピソードとともに読み解いていく。
目次
フロム・ミー・トゥー・ユー
「つくられたビートルズ」と「つくったディラン」
ボブ・ディランとイギリス
ビートルズとアメリカ
The Beatles Dig Dylan
1964年8月28日
変貌するビートルズ、裏切るディラン
友情と反目
ディランとジョン、そしてストーンズのリムジン
幻想の世界と日々の暮らし
ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス
バングラデシュ
別れと再会
ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード
ビートルズとボブ・ディランの関係を知るための35選
著者等紹介
中山康樹[ナカヤマヤスキ]
1952年大阪府生まれ。音楽評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅうと
15
ビートルズは知っていたが、ボブ・ディランのことは知らなかった。本書を読んで初めて知った。こんなにもビートルズに影響を及ぼしている人なのかと。彼の曲を聴いてみたくなった。そして、独特な歌詞にも興味湧きました。2024/02/10
kawa
10
両者とも、ちょっと遅れで同時代感はない。しかし、こんなに深い交流があったのですね、知らなかった。マリファナをビートルズの面々に教えたのはディランなのですか。それじゃ、名作・サージェント・ペッパーズの産みのじ~ちゃん位にはディランが位置するんじゃないですか。ロックン・ロールをやりたかったディラン、エレキが買えなくて、フォークでデビューには笑えるが、あの騒ぎはなんだったんだろう。スポ テイファイでジョージとディランのバンド・トラヴェリング ウイルベリーズを聞いているが、確かにディランはロッキン・ローラー。2017/08/20
とりぞう
3
資料といえない「断片」を提示して、「見解」といえない「情報」を示す内容。情報の方向づけもなく、読んでみても、示される「断片」が何を意味するのかがわからない。「同時代だったんだね」とか「交流があったんだね」という内容に満足できる人に向けた本かも(笑)。2021/11/16
葉
3
The Beatlesはずっと聴いていて好きであるが、ボブ・ディランはそれほど聴いていない。ノーベル文学賞受賞ということで手に取った。つくられたビートルズとつくったディランという章から始まり、確固としたヴィジョンに進んだビートルズと自分自身で進んで行ったディランという流れがある。ディランはハックルベリー・フィンの主人公が被るような帽子をトレードマークとしたのは何となくわかった。映画のイート・ザ・ドキュメントを見てみたいと思った。2016/11/04
歩行者天国
2
ビートルズの全アルバムを聞いてますし時系列もほぼ頭に入ってますが、ボブ・ディランに関してはそこまでではなかったので、改めて2組を対比して読み、共に刺激し影響を受けながら新たな創造に発展させていたことが分かりました。冒頭と後半の、トラヴェリング・ウィルベリーズとデル・シャノンの関係性も興味深い内容でした。2023/04/15