内容説明
最高傑作は?最高のキャストは?全48作を徹底検証。放送開始から年齢をほぼ同じくし自称マニアの著者が、『花の生涯』(’63年)から『天地人』(’09年)まで縦横無尽に論じる。
目次
第1章 大河ドラマの原作(著者別原作採用数;司馬への疑問 ほか)
第2章 大河ドラマのキャスティング(増殖する織豊ドラマ;郷ひろみ、五木ひろしの違和感 ほか)
第3章 大河ドラマの音楽(私が選ぶ大河の名曲;主題曲をCDとDVDで鑑賞 ほか)
第4章 史実と大河ドラマ(人物を諱で呼ぶのはありえない;「偏諱」とは? ほか)
第5章 『春の波涛』事件(人物の架空の名前が盗用された;孤高の抵抗者・山口玲子)
終章 これからの大河ドラマ
著者等紹介
小谷野敦[コヤノトン]
1962年茨城県生まれ。本名読み・あつし。東京大学文学部英文科卒、同大学院比較文学比較文化博士課程修了、学術博士。大阪大学言語文化部助教授、国際日本文化研究センター客員助教授などを経て文筆業。著書は、『聖母のいない国』(河出文庫、サントリー学芸賞受賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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蔦屋重三郎そっくりおじさん・寺
28
再読。まえがきにあるように大河ドラマよもやま話。日本史好きで芸能好きには実に楽しい本である。著者の好みと自分の好みが合ったり違ったりすると心が対話しているようで、読んでいて淋しくない。『天地人』までの大河が語られているが、以後の大河も論じて増補版を出してほしいくらいだ。史実についての章を読んでいてふと疑問だが、信長の小早川隆景宛書簡に、隆景の父・毛利元就を諱で呼び捨てにしたものがあるのだが(元就生前のもの)、これは失礼にならなかったのだろうか?。小谷野さんの『名前とは何か』を読みたい。2014/07/29
ケロコ
20
読友さんのレビューより、図書館で予約。作者が大河を楽しんでいる、全く解説してない入門という本!なるほどー、と頭を悩ませる事なく、こちらも楽しんで読めました。2015/01/25
二分五厘
13
『花の生涯』から『江』までの大河ドラマを、自称マニアの筆者があらゆる視点で検証する。とはいうものの、かなり好き嫌いのはっきりしている方で、絶賛(風と雲と虹と・花の乱・葵・毛利元就)と酷評(信長・炎立つ・武蔵・利家とまつ)の差が激しい。役者に対しても義経のタッキーを「下手すぎて興ざめ」とこき下うろしてる(笑)。しかし戦国・幕末等、時代別に配役リストを作ったり、脚本家・原作者・作曲家別に纏めたり労作です。一番の労作は自作のイラストですかね。三谷幸喜の脚本も酷評組ですが果して、今年の『真田丸』は如何でしょう。2016/01/09
たくのみ
6
あえて入門しなくても、ご存じの「大河ドラマ」紹介がつづく。しいていえば、終章の「春の波濤」事件をめぐる「盗用疑惑」が読みどころ。まさに権威あるNHKならではのトラブル。アニメなんかだと「オマージュ」「リスペクト」ですむ話なのにね。著作権のためか「筆者の手による似顔絵」が多用されている、ここはイラストレーターさんにお願いしたほうが良かったみたい。2013/05/25
kokada_jnet
5
大河ドラマを2,3作しか見ていない自分でも、非常に楽しめた。大河マニアの著者による、極私的評価&トリビア本。「歴史的事実と大河との関係」「原作についてのトラブル史」などはためになる。次は、NHK人形劇についての本の執筆を希望。2010/04/01