内容説明
ケガをしたら、消毒して乾かす、が世間の常識。しかし著者によれば、消毒は「傷口に熱傷をかけるような行為」だという。傷は消毒せず、乾燥させなければ、痛まず、早く、しかもきれいに治るのである。著者は、今注目の「湿潤治療」を確立した形成外科医である。その治癒効果に驚いた医師らにより、湿潤治療は各地で広まっている。しかし肝心の大学病院などでは相変わらず、傷やヤケドを悪化させ、治りを遅らせ、患者に痛みと後遺症を強いる旧来の治療が行われている。なぜ、医学において生物学や科学の新しい成果は取り入れられないのか。本書では医学界の問題点も鋭く検証。さらに、生物進化の過程をたどりつつ見直した、皮膚という臓器の持つ驚くべき能力について、意欲的な仮説を展開しながら解説する。
目次
第1章 なぜ「消毒せず、乾かさない」と傷が治るのか
第2章 傷の正しい治し方
第3章 ケガをしたら何科に行く?
第4章 私が湿潤治療をするようになったわけ―偶然の産物
第5章 消毒薬とは何か
第6章 人はなぜ傷を消毒し、乾かすようになったのか
第7章 「化膿する」とはどういうことか
第8章 病院でのケガの治療―ちょっと怖い話
第9章 医学はパラダイムの集合体だ
著者等紹介
夏井睦[ナツイマコト]
1957年秋田県生まれ。東北大学医学部卒業。日本形成外科学会認定医。石岡第一病院傷の治療センター長。2001年、消毒とガーゼによる治療撲滅をかかげて、インターネットサイト「新しい創傷治療」を開設(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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mitei
文章で飯を食う
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hanagon44