光文社新書<br> サンデーとマガジン―創刊と死闘の15年

電子版価格
¥891
  • 電書あり

光文社新書
サンデーとマガジン―創刊と死闘の15年

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 317p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334035037
  • NDC分類 051
  • Cコード C0279

内容説明

1950年代終わり、高度成長の入り口に立った時代の空気を察知した小学館、講談社は週刊少年誌創刊に向けて始動。早くも激しい先陣争いを展開した結果、サンデー、マガジン2誌同時創刊に至る。線の太く丸いメジャー漫画家の獲得、“さわやか”イメージ戦略、正統派ギャグ漫画路線を掲げるサンデー。他方、マガジンは、原作と作画の分業体制、情熱的な“劇画”路線と巻頭グラビア大図解を展開―それぞれ独自の方針を掲げ、熾烈な読者獲得競争を繰り広げた。本書は、両誌の黄金時代を現場で支えた男たちの人間ドラマに迫る。元編集者の証言は、私たちにスリルと多くの知恵を与えてくれる。懐かしい名作やブームの裏話も満載。

目次

第1章 夜明け前
第2章 先陣争い
第3章 危機を好機に
第4章 サンデー快進撃
第5章 TVマンガの時代
第6章 なぐりこみ劇画野郎
第7章 万博とよど号
第8章 しのびよる黒い影

著者等紹介

大野茂[オオノシゲル]
1965年東京都生まれ。慶應義塾大学卒業。電通のラジオ・テレビ部門、スカイパーフェクTV開局作業を経て、’98年NHK入局。手がけた番組にBS「どーもくん」シリーズ、「007魅力の秘密」、「スタジオパークからこんにちは」、「日曜スタジオパーク」、「みんな怪獣が大好きだった!」、ETV特集「日本SFの50年」、「BS熱中夜話ウルトラマン特集・ヒーローソング特集」、BS「アジアクロスロード」など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ホークス

45
サンデーとマガジンの1959年創刊から十年間の攻防史。知らない話が多く面白かった。手塚治虫ら有力漫画家の争奪戦あり、新人発掘競争あり。水木しげるたち劇画家のメジャー化、白土三平や梶原一騎との鋭い応酬などにワクワクした。TVや映画と組んだ怪獣ブームの舞台裏、スポーツ界やSF作家との関係も興味深い。他方漫画に対する文学界やPTAのバッシング、蔑すみも酷かった。時代的なものもあるが、「空気」を正義にしてしまう日本人の危うさが現れてもいる。総合誌志向の両誌が漫画専門のジャンプに敗れる顛末も分かりやすく書かれている2018/11/03

thee birdmen

42
舞台は漫画がまだ悪魔の書と蔑まれていた昭和30年代。マガジンとサンデーが機を同じくして登場し、以来激しい販売部数競走を演じる数十年が克明に記録された本です。青少年の健全育成を旨として終始一貫した姿勢の小学館、なりふり構わずがむしゃらな試行錯誤の中から突破口を見つけていく講談社。漫画家はもちろんのことながら、この2社の編集者の情熱が日本の漫画文化を発展させてきたとがよくわかりました。2019/08/23

かさお

32
昭和の高度成長期(1958〜1973)日本初の週刊誌サンデーとマガジンの闘争の歴史。マンガ好きなら読めば熱くなる。発行当時マンガは、悪書、あるいは子供のオモチャ、とされ市民権が無かった。その為、表紙にはスポーツ選手を、巻頭は科学や生物やニュースにして親や教育委員会をスルーさせ、マンガは3本か4本しか掲載できなかった。両編集部は工夫に工夫を重ね、試行錯誤を繰り返し、切磋琢磨し、今の日本のマンガ文化の位礎を築いたと云う。マンガなんて、から、マンガはすごい、と変わりゆく様は、朝ドラでやってほしい面白さ。→ 2021/03/13

しろ

14
☆7 たった50年前のことなんだけど、漫画に関しての社会認識がこんなにも現代と違うとは思わなかった。この時代の編集者や作家たちの壮絶な戦いのおかげで、今こんなにもいい漫画があふれているということに、感謝する。それにしてもサンデー対マガジンの人気競争や作家の奪い合いなどが熾烈でびっくりした。お互いの編集者が「どうしたらよくなるのか」を徹底的に考え、時には大胆かつ前衛的な手段を使ったりと彼らの仕事に対する真摯な魂が見れた。新たな一歩を見事に踏み出してきた両雑誌に敬意を表したい。2010/10/13

はる

12
図書館本。「昭和」と「少年」つながりで。そういえば、そのころのマンガ雑誌には、マンガ以外に読むところがたくさんあったなぁと思いながら。怪奇・恐怖・宇宙・大図解…。表紙の不思議な絵として、ずっと心に残っていたものが、エッシャーの絵だと知った驚き。(婚姻の絆)アシモフのロボット三原則、横尾忠則、長岡秀星…などなど。年齢の離れた従兄がいたこと、そして雑誌でも長めに保管されたことが良かったのだろう。そうか、ジャンプは「マンガだけ雑誌」だったのか!少女雑誌の歴史も知りたくなってきた。2014/04/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/174320
  • ご注意事項