光文社新書<br> 「命令違反」が組織を伸ばす

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光文社新書
「命令違反」が組織を伸ばす

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  • サイズ 新書判/ページ数 270p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334034139
  • NDC分類 336.3
  • Cコード C0233

内容説明

人間の「無知」や「不注意」による失敗は、「条理な失敗」だ。しかし、人間の関わる重大な失敗の多くは、予期できたにもかかわらず突き進んでしまう「不条理な失敗」だ。今日多発している組織の不祥事は、ほとんどが「不条理」に起因している。この組織の「不条理」は、いかにして回避できるのか。答えは、「命令違反」である。本書では、「不条理」の極端な事例として太平洋戦争時の日本軍の行動を分析し、「命令違反」が組織を存続させるだけでなく、進化させることを明らかにしたい。

目次

人間は限定合理的な存在である
第1部 二つの組織の不条理(“タイプ1”の不条理―インパール作戦での牟田口廉也;“タイプ2”の組織の不条理―ガダルカナル戦での白兵突撃戦術;命令違反のすすめ)
第2部 “タイプ1”の不条理を打破する命令違反(ペリリュー島での中川州男の良い命令違反;ノモンハン事件での辻政信の悪い命令違反;良い命令違反と悪い命令違反1)
第3部 “タイプ2”の不条理を打破する命令違反(ミッドウェー海戦での山口多聞の良い命令違反;レイテ海戦での栗田健男の悪い命令違反;良い命令違反と悪い命令違反2)
命令違反のマネージメント

著者等紹介

菊澤研宗[キクザワケンシュウ]
1957年生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、同大学大学院商学研究科博士課程修了。88年防衛大学校社会科学教室専任講師。93年ニューヨーク大学スターン経営大学院客員研究員。99年防衛大学校社会科学教室・総合安全保障研究科教授。2002年中央大学大学院国際会計研究科教授。慶應義塾大学商学部・大学院商学研究科教授。著書に、『比較コーポレート・ガバナンス論』(第1回経営学史学会賞受賞、有斐閣)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

H2O_HoriHori

3
太平洋戦争の日本陸海軍で起こった命令違反を行動経済学的に解説した本。 大日本帝国陸海軍は、秀才の集まりで軍人としても立派な人が将軍と言われて出世していた。だから将軍個人が愚鈍だったから負け戦を進めたのではない。負け戦となったのは、彼らの個人の中の合理性が組織の合理性から離れてしまうような状態にあったから。 組織も人間が運用するから必ず失敗する。大事なのは上司や本部からの間違った指令に対して、組織全体で合理的な判断をできる現場の個人をいかに増やすか?ということ。

kouki_0524

3
全て日本軍の事例を使っているため、一般化して理解することが難しい。ただ、組織というのはこの本にあるように、カント的でなければならないというのは頷ける。2015/05/02

もるもる

3
タイトルがミスリード。ほぼ軍事モノであったが、題材として面白いのでよし。戦術を行動経済学で解き明かすのは新しいんじゃないだろうか。2012/11/22

Ryo

2
組織の不条理の最終版の様な本。 より学術的な記載が増え、納得度は高まるが感情、情緒的には前作の方が入り込んでくるので、やはり先に前作を読んだ方が良いと思う。 カント的組織の在り方というのは、本書だけでなく別の書籍にも見受けられる内容で、やはり健全な組織にはフラットで批判を受け入れられる素地が必要なのだろう。 人間は完全合理性では無いという真実を忘れずにいる事が肝要で、一部情報や感情に乗って生きる事はとても危険な事。 日本の文化と組織形態は、これからも経済の足を引っ張り続けるのかもしれない。。。2015/10/15

芸術家くーまん843

2
・組織の不条理をいかに回避できるのか。これについては、さまざまな方法が考えられるが、私の答えは簡単だ。「命令違反」である。これが最終解決策だ。(菊澤研宗)・不条理は無知や非合理性のために起こるのではなく、まさに合理的に起こる可能性がある。マイナスの心理状態に陥って、効率性と正当性が乖離された場合、効率性を無視して正当性のもとに突き進むような不条理が人間に働くのだ。・人間の世界には、単なる無知や非合理性では説明できない不条理なことが数多く起こる。そして、それを逃れることは非常に難しい。それは人間が限定合理的2012/12/11

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