内容説明
二〇〇七年現在、女のことばと男のことばは、見分けがつかないくらい接近し、似たものになってきている。一〇〇年前の明治、東京山の手。「よくってよ。知らないわ」「歩きます」「ほゝゝ可笑しいでせう」女の使うことばには、必死で思いを伝えようとする生き生きとした意思が反映されていた。一九〇八年の『三四郎』を手始めに、江戸のさまざまな年齢、階層の女たちのおしゃべりを綴る『浮世風呂』、室町時代の女房ことばの工夫まで、各時代の女性たちが何を伝えようとしてきたのか、それらを表わすことばはどう変化し、受け継がれていくのかを、時代を遡り詳細に検証する。
目次
はじめに「ちげーよ」と「おひや」「おかか」―共存の不思議、それこそ現代日本語!
第1章 一〇〇年前、漱石『三四郎』の女ことばから
第2章 二〇〇年前の『浮世風呂』の女ことば―『三四郎』および現代との距離を計りつつ(『浮世風呂』―銭湯に花咲く江戸の女たちのことば;少女のことば ほか)
第3章 「おことば」「もじことば」のルーツを遡る(『三四郎』『浮世風呂』の“おことば”;女房ことばの歴史(一)婉曲語法史から見た「女房ことば」 ほか)
第4章 『三四郎』より一〇〇年後、現代女子学生の言語実態と言語感覚(中性化している若者のことば;二〇〇〇年代の「若者ことば」 ほか)
第5章 女ことばの一〇〇年“まとめ”(昭和の女ことば―女優田中絹代さんのことば/『斜陽』のことば;ニューハーフのことば―現在、最も女らしい女ことば ほか)
おわりに 未来へ向けて―女であり、人間であることの表現史
著者等紹介
小林千草[コバヤシチグサ]
1946年生まれ、京都育ち。’72年東京教育大学大学院文学研究科修士課程修了。’85年佐伯国語学賞、2002年新村出賞受賞。東海大学文学部教授。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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