内容説明
「郵ちゃん」の旅は、自転車、車、船、鉄道、時にはヘリコプター。全国津々浦々、十局十色の郵便局を駆けめぐる。小笠原の母島簡易郵便局へ行くには、往復一週間が必要だ。宮内庁内郵便局は、一般の人は入れない。「愛・地球博」郵便局のように、期間限定の局もある。さらに、昭和基地内やしらせ船内にまで。筆者は中学生のときから「風景印」のコレクションを始め、三〇年余をかけて、日本の郵便局を一万一〇〇〇局あまり、自分の足で“巡礼”してきた。そんな筆者だからこそ肌で感じた、現代日本の多様な姿。そして、知られざる風景印の魅力…。何はともあれ、楽しくて奥の深い「郵ちゃん」の世界にようこそ。
目次
第1章 楽しきかな、郵便局めぐり
第2章 風景印のABC
第3章 十局十色、郵便局
第4章 直径三六ミリメートルの小宇宙
第5章 たどり着けない郵便局
第6章 ゆく局、くる局
第7章 注目!建築としての郵便局
第8章 離島こそニッポンの真髄
番外編 実践!風景印の楽しみ方
著者等紹介
佐滝剛弘[サタキヨシヒロ]
1960年愛知県生まれ、東京大学教養学部(人文地理)卒業。現在、NHK前橋局制作グループ副部長。番組制作のかたわら、メディア、ジャーナリズム、観光、世界遺産などについての評論、講演多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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TakaUP48
38
直径36㎜の小宇宙「風景印」を集めまくる鉄ちゃんならぬ「郵」ちゃんの郵便局めぐり。「風景印」を求め東西南北右左、閉局間際まで昼食抜きで走り回る。小笠原諸島、瀬戸内海、沖縄周辺の島々、琵琶湖に浮かぶ沖島まで廻った!普段は行けない宮内庁や、船の中の局なども登場、いやあ~この執念には、脱帽です。建築としての郵便局も面白かった。歴史的な建物から、現代風のモダンな建物まで周囲に一体化しようとしている郵便局の努力は素晴らしい。ただ、この本は郵政民営化になる前に書かれた本。現在、簡易局受託者募集をしているのには驚き!2021/07/12
おいしゃん
33
まさに自分のための本!といっても、20年で700局くらいしか回っていないので、著者の足元にも及ばないが。 風景印の歴史から種類など、よくまとまっており、収集熱が一気に高まった。2021/03/30
misui
9
風景印の収集を趣味にして三十年あまりの著者が語るその魅力。この方は現地に出向いて自分の手で捺すことを基本としており、ということは自然、郵便局巡りはオリエンテーリングの様相を呈する。郵便の歴史や地方の特色、局の建築、風景印そのものの美しさなど、郵趣を横断的に楽しめる素晴らしい観点だと思う。特に、一般人ではなかなか辿り着けない局(空港内、皇居)、地理的に到達困難な局を目指すくだりにはマニアの苦労が偲ばれる。富士山風景印の分布なんて本当に面白い。2014/05/08
k_jizo
5
自転車が面白かったので、直径36mmの小宇宙にチャレンジ。多趣味な著者の博学、好奇心には圧倒される。風景印。興味はあるがヘリコプターで取りに行くほどは…2016/03/03
湘南☆浪漫【Rain Maker】
4
風景印を集めるにあたっての教科書。 離島まで泊まり込みで風景印をもらいに行く根性は素晴らしい。 全ての郵便局に風景印があるわけではないところがミソ。2021/03/19